――転機となった出来事として印象に残っていることはありますか。
川村 上場を目指したことです。2000年から準備を始め、2003年にジャスダック、翌年に東証2部、2005年に東証1部に上場すると決め、その通りに実現しました。この5年間はほとんど休まずに働きました。上場すれば、商売が広がり、良い人材が採用できて、資金が増えるといわれ取り組むことにしましたが、そんなにいいことばかりではありませんでした。上場後はさらに利益を出し続けなければいけないという重圧は日々感じています。入社したときから今までの11年分の業績を常に持ち歩き、たまに見るようにしています。その時代、時代を思い出しながら、頑張ろうという力がわいてきます。
――部下とのコミュニケーションで気をつけていることはありますか。
川村 基本的なことですが、しかるようにしています。気づいたことは全部本人に言うようにしています。人格と能力ではなく、行動と怠慢を厳しくしかります。ベンチャー企業なので辞める人も多いのですが、まだこの会社にいたほうが本人にとっても会社にとってもいいと思う場合は全力で、命がけで止めます。わたしも、その人がこの会社に残ったことを後悔しないように責任を持って育てます。そうすることによってお互い覚悟ができるように思います。社内がばらばらにならないように、必ず誰かが愛情をもって育てるようにしています。
最近読んだお薦めの本:
天地明察 冲方 丁
ストレス解消法:
できるだけ非日常を経験するようにしています。普段やらないことに積極的に取り組むと仕事のもやもやが消えてすっきりします。日常は漫画を読んだり、お笑いを見たりして気持ちを柔らかくします。こうしてビジネスから離れた時間を持つことによって、リラックスしてよく眠れます。
「30代で修羅場をくぐり人間力を鍛える」――日本エリクソン・坂田氏
「人は育てるものではない、一緒に育つもの」――中野区役所・平田氏
エグゼクティブ会員の横顔:「上司に怒鳴られながら仕事した30年前、こうしたマネジメントはもはや通用しない」――東レ・橘氏
エグゼクティブ会員の横顔:「新しい発明は努力ではなく技術者の楽しみから生まれるのだ」――タイトー・三部CTO
エグゼクティブ会員の横顔:「未来の顧客の価値観を予測せよ」――ブリヂストン・原執行役員
エグゼクティブ会員の横顔:「スポーツドクターの育成が課題」――国立スポーツ科学センター・小松氏
エグゼクティブ会員の横顔:「ユーザーに喜ばれるシステムをワクワクしながら作る」――積水化学工業・寺嶋氏
エグゼクティブ会員の横顔:「プロジェクト成功の秘けつは、早期名付けにあり」――ソニー銀行・河原塚氏
エグゼクティブ会員の横顔:「なぜIT部門は舌が肥えたユーザーに古びた料理を押し付け続けるのか」――ウイングアーク・岡氏Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授