グローバル化によって得られた利益は、大勢の人に少しずつ分配されますが、生み出された痛みは困窮した人々や、海外移転によって職を奪われている地域や業界が一部に集中しています。アウトソーシングがもたらす多くの経済的利益を、より多くの人間や地域に与えることは難しい問題であり、なかなか実行されることはありません。
しかし、「誰が損をしているのか?」という質問は、経営者やその仲間がするべき質問ではありません。「最高の経済的利益を獲得し、能率を向上させるには、どこで業務を行うべきか?」という問いに意識を持っていかなければなりません。海外移転は政治的物議をかもしています。しかし、経営者は質問の答えを出すのに政治家を待っているわけにはいきません。行動を取らない企業は競争に負けてしまいますので、経営者は海外移転の欠点と、もたらされる重要なチャンスをきちんと学んでおく必要があります。
アウトソーシングは、IT技術とそれに伴うグローバル化が大きな後押しとなってさらに加速傾向にあることは間違いありません。しかし、それを行う上で大切なことは、単なる業務の移行であってはならず、その企業の利益獲得がどのように世の中に分配されていくのかが大切であり、そのための業務効率の向上のためにはどこでどのような業務を行うかと言うことを考えて行かなければならないのではないでしょうか。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授