サンディエゴの「Teradata PARTNERS 2011」は2日目を迎えた。TeradataのCTOとして同社の技術戦略を主導するブロブスト氏が午前のセッションに登場、「超大規模データウェアハウス」(eXtreme Data Warehousing)の可能性と課題を話した。
「今やペタバイトの時代。最近のわずか3年でつくられたデータ量は、人類が言語を使い始めて以来、約4万年の歴史で生み出してきた総量を上回った。われわれも圧縮技術を研究しているが、既にストレージ容量は追いつかないし、ギャップは広がるばかり」── こう話すのはTeradataのCTOとして同社の技術戦略を主導するスティーブン・ブロブスト氏だ。
米国時間の10月4日、Teradataユーザーグループの年次カンファレンス、「Teradata PARTNERS 2011」は2日目を迎えた。午前のセッションには、TeradataのブロブストCTOが登場、「超大規模データウェアハウス」(eXtreme Data Warehousing)をテーマに取り上げ、そのビジネス用途を紹介するとともにプライバシーなどの情報倫理に関しても課題を提起した。
「データの収集と活用は大きく変わろうとしている。センサーなどからリアルタイムで膨大なデータがつくられ、その分析やそれに基づいた臨機応変な意思決定が現場で必要とされている」とブロブスト氏。
いわゆる「象牙の塔」のような一部の意思決定者がビジネスインテリジェンスを戦略立案に役立ててきたのとは様変わりしている。今やユーザーも自社だけではなく、パートナーや顧客に拡大され、より大勢がデータにアクセスするほか、ルールやしきい値に応じてアラートを出したりするような使われ方もある。データへのアクセスが飛躍的に増えてくるわけだ。
「ソフトウェアエージェントに任せた方が、人による一貫性のない判断よりマシかもしれない(笑い)」(ブロブスト氏)
さらにグローバル化の流れもある。全社規模の「エンタープライズデータウェアハウス」を提唱してきたTeradataのCTOとして、ブロブスト氏はさらに地球規模に拡大した「グローバルデータウェアハウス」を念頭に置き始めている。
「デジタル化できれば世界で共有できる。それほど難しいことではない」とブロブスト氏。
ブロブスト氏の言う「超大規模データウェアハウス」(eXtreme Data Warehousing)は、一見とんでもない構想のように思えるが、過去を振り返れば、当時は無茶な話も今では当たり前、ということは多い。1990年代、通信業界においては、請求書が詳細なデータだったという。一つひとつの通話詳細記録など当時はとんでもないと考えられていたが、今では顧客を理解するためにその分析が盛んに行われている。
「流通業でも、商品を流通させるために温度や湿度といったより詳細なデータを必要になってくるだろう。やりすぎかもしれないが、それを考えるのがわれわれの仕事だ」とブロブスト氏。
ブロブスト氏は、現実味を帯びつつある「超大規模データウェアハウス」(eXtreme Data Warehousing)が、どのようなビジネスで実際に活用できるか、そのさまざまな可能性を紹介した。
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