学び続けなければ衰退するのみだ。
37歳は35+2歳なのか、40−3歳なのか?――連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」は、40代以降を充実して生きるための100個のルールをまとめた書籍「あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール」の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。
「もう勉強せずに済む」。僕がそんなバカなことを考えたのは、就職が決まったころだ。
シンガポールから日本に帰ってきて、知り合いに誘われるままに旅行会社に就職した。歴史と地理が大嫌いだった僕が、就職してすぐに躓(つまず)いたのは言うまでもない。中国語が話せるからと中国担当になったのは不幸中の幸いだった。それでも当時流行っていたシルクロードについて学ばねばならず、さらに社会人として学ぶべきことが満載だった。
30歳を過ぎて会社法を学び、貿易に関する知識も付けた。その後は、一般旅行業取扱主任者(現在の総合旅行業務取扱管理者)の勉強をし、仕事で関わったこともない国内の寝台列車料金について勉強をする機会もあった。
僕が一番勉強したのは、39歳でソフトバンクグループに入社してからだ。ある程度の知識はあったが、ITについてもっと深く勉強することになったし、Yahoo! BBを始めてからは通信についても勉強した。僕の担当範囲ではないが、知らない、というわけにもいかなかったからだ。42歳のときには、米国PMI認定のPMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)を取得するために勉強した。
僕は現在51歳だ。ゴルフで言えばシニアの年代だが、もう学ぶことは終わったとは思えない。今でも日々、自社のビジネスのこと、顧客企業のビジネスのこと、組織のこと、そして僕が関わっている学生たちの就職活動のこと。知恵の元となる知識を身につけ、勉強もする。どこまで学べばいいか、などといったゴールはない。いつまでも学び続けなくては、衰退するのみだ。
年長者からも年少者からも学ばせてもらえるし、書籍も、インターネットも、学習できる対象はたくさんある。大切なことは、学ぶ姿勢があることと、何を学ぼうとしているか、何のために学ぶのか、といった目的意識がはっきりしていることだ。
巷にあふれている勉強会に行くことがいい、ということではない。何のためにその勉強会に参加するのか、そこで何を学ぼうとしているのか、それが明確なら参加するのもいいだろうし、逆に明確にならないのであれば、参加する必要はないのだと思う。その時間を、あなたが学びたいことを学ぶ時間に充てればいいからだ。
我々は学び続ける。進化し続ける。だから、人間なのだ。
大木豊成著
明日香出版社
1470円(税込み)
40歳を目前にした世代が、悩んだり困ったりしていることに対して、人生経験豊富な著者がアドバイスする。ソフトバンクグループで培った仕事術の他、家族、キャリアなどについて、100項目で指南する。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授