「あ〜、面倒くさい!」そう感じたらチャンス! あなたの「面倒くさい」の活用方法教えます。
実は私、「面倒くさがり」です。
雑多な書類をまとめるのは面倒くさいし、段取りが悪く進まない会議は早く終わってほしいし、なかなか動かないプロジェクトには「チャチャっとやっちゃいましょうよ」と言いたいし、相手の立場を理解しようとせず、自分の都合ばかり押し付けてくる人とのやりとりは「あ〜、面倒くさいな〜」と思います。
以前は、この性格が好きではありませんでした。なぜなら面倒くさいという言葉には、「煩わしい(わずらわしい)」「厄介」など、どちらかというとネガティブなイメージがありますし、「面倒くさい」が口癖の人の言動は批判的な空気を作り、後ろ向きな印象を与えます。態度や言動に出すのがいいことだとは、もちろん私も思いませんし、一般的には「面倒くさがりはイカンよ」と思われているわけです。
しかし最近、「面倒くさがり」はそんなに悪いことではないのではないか、大切な一面もあるのではないか、と思うようになってきました。
その理由についてお話ししましょう。
面倒くさがりの人は、「もっと楽にしたい」「もっと良くしたい」などの理想像や改善策を無意識に考えています。
雑多な書類をまとめるシーンで「あ〜、面倒くさい」の後に続けて考えるのは、「この書類、本当に必要なのだろうか」「本当は○○にしたら簡単なのに」などの改善案です。
段取りが悪い会議のときは、「事前に段取りを立てておけばスムーズに進むのに」「ファシリテーターを用意すれば議事に集中できるのに」と考えますし、進まないプロジェクトでは「机上の理論ではなく、できることからやってみる」ことを試みます。相手の立場を理解しようとせず、自分の都合ばかりを考えている人とのやりとりでは、「もっと相手のことを考えて発言したらいいのに」「自分だったらこうするな」などと考えます。
ではなぜ、面倒くさいと感じるのか……それは、抱く理想と現実の間にギャップがあるからなのでしょう。そういう意味では、面倒くさいと感じるのは、仕事をより良くするための改善策や、新たなチャンスを見い出すための機会でもあるのです。
テレビのリモコンも、携帯電話も、そのほか、私たちが手にしているさまざまな便利な製品やビジネスモデルは、「あ〜、面倒くさい。本当は○○だったらいいのにな〜」という、仕事や生活をもっと快適にするための知恵から生まれてきたのではないでしょうか。
また、面倒くさがりの人は、複雑で分かりづらい仕組みを、「嫌い/好き」「つまらない/楽しい」「悲しい/うれしい」など、シンプルで分かりやすく考えるのが得意です。
例えばプレゼン資料。たくさんの内容が複雑に、難しい言葉で書かれているプレゼン資料を理解するのはなかなか面倒です。そこで面倒くさがりの人は、「つまり……」「一言で言うと……」「最も大切なことは……」などに続く言葉を考え、物事をシンプルに考えようとします。
複雑な仕組みをシンプルに考えることで、「本当に大切なこと」を見い出す機会が生まれます。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授