ロンドンオリンピックが終わりましたね。日本代表選手の活躍に心躍る毎日を過ごした方も多いでしょう。鍛え抜かれた肉体の躍動、一丸となって戦うチームプレイの美しさに私も興奮しました。
「オリンピックでメダルを取ることは小さいころからの夢でした」「これまでの努力が形になってうれしいです」などの選手のコメントを耳にして、これまで大変な努力でトレーニングをされてきたのだろうなと想像しました。モチベーションのマネジメントも並大抵ではなかったでしょう。
「これまで」を想像したら、「これから」についても頭をよぎりました。
オリンピックのような大きな舞台ではありませんが、私も大きなプロジェクトに参加したことがあります。そして、それらが終わった後や、根を詰めて取り組んでいた仕事がひと段落ついたときなどに、今まで目標にしていたものが無くなることでモチベーションが下がったり、次の目標が見つからずにやる気が出なくなったりした経験があります。
打ち込む対象が無くなって虚脱感に襲われることを、「燃え尽き症候群」と言います。あなたもこのような経験ありませんか。
そこで今回は、目標を失ったときのモチベーションマネジメントについて考えてみます。
「目標を目指していたときはあんなにやる気があったのに、なぜ今はやる気が出ないのだろう」……やる気があったときは何でも前向きに取り組めました。そんな自分のことがちょっぴり好きでした。けれども、今はやる気が出ません。なんとか以前のようにやる気を「出そう」と自分を追い込み、気力を絞り出して鼓舞してみても、一瞬は盛り返しますが長続きしません。そんな自分がなんとなく情けなく思えるのですよね。
やる気が長続きしないと、今まで習慣化できていたトレーニングやスキルアップを継続するのが難しくなってきます。周囲のライバルや仲間たちは今まで通りにトレーニングに励んでいますから、周囲に遅れを取っているように思えて焦ることもあるでしょう。
その気持ち、とてもよく分かります。私も以前、やる気を「出そう」と頑張っていた時期がありました。けれども、無理に「出そう」と自分を追い込んでも短期的にしかやる気が出てこないのです。私はこう思いました。「やる気というものは、自分の意識で無理に『出す』ものというよりも、環境が整ったときに自分の内側から自然に『出てくる』ものではないか」と。
やる気が自然に「出てくる」環境を作ることに意識を向けるようにしたら、無理に「出そう」としていたときよりもモチベーションマネジメントが上手になってきました。
では、やる気が自然と出てくるのは、どのようなときかを考えてみましょう。
十分な休養を取って体力や気持ちに余裕があるときには、「何か、新しいことはじめようかな」というやる気が「出て」きます。また、「がんばって」と応援されたり「ありがとう」と感謝されるなど、周囲からの承認や評価で感情が満たされたときにもやる気は「出て」きますし、人と比べて自分の環境が恵まれていることが分かったときなど「あっ、そうか!」という何かしらの気付きが起きたときにもやる気は「出て」きます。
ひょっとしたら、他にもやる気が「出てくる」タイミングがあるかもしれませんが、体力や気力、新しい気付きなど、何か満たされていなかったものが満たされたとき、やる気は無理に「出そう」としなくても、自然と「出て」きます。
ですから、「出そう」として出ないときでも、それほど心配しなくても大丈夫です。
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