NEC 製造・装置業共通ソリューション開発本部 マネージャーである白水大三郎氏は、「NECの"顧客基点のものづくり"をグローバルで支える改革事例」をテーマに講演。ものづくり革新の実施、リードタイム短縮、在庫削減などの実現を支えるNEC社内の取り組みやグローバルにおけるSCM領域の標準化を目指した「グローバルSCM改革」の事例を業務およびシステムの観点から紹介した。
グローバルSCM改革の背景として、約20年続くNECのものづくり革新がある。工場内の改善から始まり、サプライヤーや顧客、物流なども含めて見直し、全体をつないで同期させることを目指してきた。白水氏は、「標準化や構造改革に加え、生産領域の標準化を推進。販売計画に基づき、顧客の要求に見あった製品を、在庫を削減しながら計画的に生産するための体制を確立している」と語る。
ものづくりのやり方を見直すことで、リードタイムの短縮、棚卸し品の削減、サプライチェーンの構築による物流の効率化などの効果を上げている。こうした取り組みを国内で行い、さらにグローバルに展開している。
今後の取り組みについて白水氏は「こうした取り組みの経験を基に、日本の製造業やものづくりのさらなる強化を支援していきたい」と話している。
米APRiSOは1992年の設立以来、製造と物流の統合実行管理ソリューション「FlexNet(MES+LES)」を開発・販売している。アプリソ ジャパン プロフェッショナル サービス部門 マネージング ディレクターの高井健造氏は、「次世代グローバル製造オペレーション 成功への道筋」をテーマに講演した。
グローバルオペレーション展開および統合の背景として、新規顧客を拡大したい、売上を拡大したい、販売ネットワークを拡大したいなど、さまざまな要因がある。こうした背景のもと、アプリソが選ばれる理由を高井氏は、「グローバル製造プラットフォームであること、企業のグローバル展開を支援できること、ビジネスの価値を提供できることの大きく3つ」と話す。
グローバル展開を成功させるポイントを高井氏は、「COE(Center Of Excellence)というコンセプトに基づいて、グローバル複数拠点の業務やシステムナレッジを集中管理しながら標準化および横展開を行うガバナンス方法を採用すること。さらに、コアソリューションのあり方、コアソリューションの展開戦略、そのためのCOEチームの3つの要因が重要になる」と語る。
事例として紹介された世界最大級の化粧品会社である仏ロレアルでは、ブランドの誠実性をいかに担保していくかが重要であった。そのためにグローバルでの品質管理やオペレーション標準化などの確立を支援する仕組みが必要だった。高井氏は、「ロレアルでは、ほとんどのプロセスの標準化を達成し、設備総合稼働率を改善するなどの効果を上げている」と話している。
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明治学院大学 経済学部准教授