家事代行サービスを日本のインフラに! 高い満足度を支えるのは、人間味のあるオーダーメイドサービス経営トップに聞く、顧客マネジメントの極意(2/2 ページ)

» 2015年11月25日 08時00分 公開
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スタッフの人間力がサービスの質を高める

高橋専務(左)と聞き手の井上氏(右)

井上 公園から始めたというのは驚きでした。小さなところから始め、今のベアーズをかたち創っていったのですね。当時の強い信念を貫いているからこそ、今の広がりがあるのだと思います。

「お客さま感動度120%」と掲げていますが、それを実現するベアーズらしさとはどこから生まれているのでしょうか。

高橋 最も重要なのは、サービスを提供する「人」です。能力や才能よりも、人間性で採用しています。明朗で、素直で、感謝の気持ちがある人はどこまでも伸びます。家事代行サービスで大切なのは、人と人とのコミュニケーションです。目に見えるものではなく、見えないものにこそ価値があると思っています。

 お客さまと対面していて、相手からどれだけのことを感じ取れるかが重要です。「ありがとう」と10人にいわれたとしても、同じ「ありがとう」はひとつもありません。そういったマニュアル化できないスタッフ一人ひとりの思いや対応がベアーズらしさをかたち創っているんです。だからこそ、スタッフの人間性を第一に考えています。

目指しているのは、「手作り感」のある「手厚い」サービス

井上 ひとつとして同じ家庭はないので、お客さまに満足していただくのは、とても難しいことではないでしょうか。

高橋 おっしゃる通り、家事代行サービスは非常に難しい仕事です。各家庭の家族構成、間取り、ライフスタイルなどに合わせてオーダーメイドのサービスが必要になります。ひとつとして同じサービスは存在しません。家庭を預かる仕事に合理化や簡素化はそぐわないんです。ただひたすらアイロンがけをしてほしい、ベッドメイキングを丁寧にしてほしい、5日分の食事を作り置きしてほしいなど、家庭によって要望はさまざまです。私たちが大切にしているのは、「手作り感」のある「手厚い」サービスです。あたたかい人間臭さのあるサービスだからこそ、お客さまに感動を届けられます。

 お客さまとベアーズレディーのマッチングも、責任重大です。ベアーズは家事代行という仕事を通して、人生の出会いを作り出しています。要望に応じて、最適な人材をマッチングしています。私が香港でスーザンに出会って人生が豊かになったように、人と人との最良の縁を紡いでいくことも大切な仕事です。

井上 スタッフ一人ひとりのあたたかい人間性がクオリティの高いサービスの秘訣だったのですね。これから先の日本を見据えて、どのようなことを実現したいのか教えてください。

高橋 私たち夫婦の原体験から生まれた家事代行サービスが日本の暮らしのインフラになったらいいなと思っています。家事代行サービスの有用性を国も前向きに検討し始め、日本のインフラになる日もそう遠くはないかもしれません。この夢が実現できれば、女性の活躍推進、子育て支援、出生率向上、雇用創出など、日本が抱えている課題解決に貢献することができます。豊かな日本の未来像を描いていくため、家事代行サービスは必要です。

 女性の笑顔には素晴らしいパワーがあります。家族や周りの人を幸せにする力があります。これからも家事代行サービスを通して、日本の女性を応援し続けていきたいですね。

対談を終えて

 人が喜んでいる様を見て喜びを感じる心がホスピタリティです。そう聞いた際にベアーズの理念「愛を届ける」という言葉がすっと腹に落ちました。単なる家事代行が商品ではない。代行により負担を減らし笑顔を創出することで新しいハッピーな暮らしを提供する。顧客満足を超えた顧客感動という言葉にもその熱意は伝わってきました。

 少子高齢化がますます加速する時代背景において、女性の労働力が必要とされ共働きも増える。そんな中でも安心して仕事に取り組めるようにしてくれるライフプランナーであり、ベアーズレディが高齢者の雇用を促進している点でも今の日本の問題を解決する社会インフラになることは近いのではないかと感銘を受けました。

プロフィール

井上敬一

ブランディングコミュニケーションデザイナー

株式会社FiBlink代表取締役

兵庫県尼崎市出身。立命館大学中退後、ホスト業界に飛び込み1カ月目から5年間連続ナンバーワンをキープし続ける。当時、関西最高記録となる1日1600万円の売り上げを達成。業界の革命児として、関西最大規模のホストクラブグループの経営業を経て、現在は実業家として企業、個人のブランディングやアパレル、サムライスーツなどのプロデュースを手掛ける他、人に好かれるコミュニケーションを伝える研修・講演を展開している。また、WEBセミナー「プレジデントキャンパス」により、中小企業経営者の学びの場をもっと身近なものにして日本経済を牽引する役割を目指す。

圧倒的な実績に裏付けられたコミュニケーションスキルをわかりやすく説く講演は、多くの企業・団体から支持を受けている。これまで数多くのメディアに取り上げられ、独自の経営哲学で若いスタッフを体当たりで指導する姿はフジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で8年にわたり密着取材され、シリーズ第6弾まで放映されている。

 主な著書に、「ゴールデンハート」(フジテレビ出版)、「人に好かれる方法」(エイチエス株式会社)などがある。


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