トップマネジメントは委員会ではないドラッカーに学ぶ、成功する経営チームの作り方(1/2 ページ)

「委員会」とは、多数決で物事を決める制度のことで、「チーム」とは、協力して行動する一枚岩の集団のことだ。チームとしてのトップマネジメンのあるべき姿とは。

» 2016年05月17日 08時00分 公開
[山下淳一郎ITmedia]
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 仕事が溜まっているから早く自分の仕事に戻りたい……。自分は仕方無く出席しているんだから早く終わってほしい……。いま社長が発表してることは自分とは関係ない…。どの案に挙手していくのが無難だろうか……。これらは、会議に出席している役員の心の中に浮かぶ言葉だ。自分たちの都合や事情に関心がもって行かれてしまう時、組織はこんな状況に陥る。私もそうだった。

 トップマネジメント本来の目的は、企業のミッションに向けて事業運営にあたることだ。ところが、統制や監視するという手段が目的化してしまい、ミッションに向けて事業運営が行われているかどうかを忘れ去られてしまっている。ミッションが曖昧であればごまかしが生まれる。ミッションを追究しなければ挑戦は起こらず、自らの陳腐化を招く。共有されなければ仲違いが起きる。これが、起こっていることの共通点である。では、トップマネジメントはどうあらねばならないのか。

ドラッカーはこう言っている。

「トップマネジメントは委員会ではない。チームである。チームにはキャプテンがいる。キャプテンはボスではなくリーダーである。キャプテンの役割の重さは多様である。」

委員会ではなくチーム

 「委員会」とは、「多数決で物事を決める制度のこと」で、「チーム」とは、「協力して行動する一枚岩の集団のこと」だ。トップマネジメントは、「多数決で物事を決める制度」ではなく、「協力して行動する一枚岩の集団」で成り立つ。そして、複数の人がいれば、当然、複数の人を率いるリーダーが必要だ。

 ここでいうボスとは、「メンバーを説得させ、自分の考えに従わせる人」であり、リーダーは「メンバーの納得を得て、より良い方向へ導く人」のことだ。自分の考えでメンバーを従わせようとしてしまえば、メンバーは力を発揮できない。もちろん会社の危機や緊急時にあっては、命令権を持ったリーダーが指揮を執らなければならないが、平時においては、メンバーそれぞれが力を発揮するために、リーダーは問答無用の指示でメンバーを駆り立てるのではなく、メンバーの納得を得てより良い方向へ導いていかなければならない。

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