気配りをしなければならないことは、誰でも分かっている。そのポイントとは。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
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勝負は、本番ではつきません。本番の前に、勝負がついています。
二流のリーダーは、本番で頑張ります。一流のリーダーは、本番の前に頑張ります。これが、一流の準備力です。
一流のリーダーも二流のリーダーも、どちらも気配りをします。二流のリーダーは、これからお世話になる人に、気配りをします。お世話になりたい人に、気配りをします。一流のリーダーは、もう会わないであろう人にも、気配りをします。
気配りをしなければならないことは、誰でも分かっています。二流の人は、気配りをする相手を選びます。後でメリットがある、後で差しさわりがある人に対して気配りをするのです。
一流は、二流がしない何かをしています。その「何か」は、二流からは見えません。
ここが大切です。
下から見ると、上でしていることは見えません。上から見ると、下でしていることは丸見えです。だから、学び方が難しいのです。「それなりにやっています」「そこそこやっています」と言いますが、「そこそこ」ではダメなのです。
一流は、一度しか会わないだろう人、この先もう会うことはないだろうという人にも気配りができます。ここで差がつくのです。この後もお世話になる人には、誰でも気配りをします。
出会いには、
1、この後もお付き合いをしたい人
2、もう会わなくてもいい人
という2通りがあります。
もう会わなくてもいい人のほうが、圧倒的に多いのです。一流のほうが出会いの数は多くなります。一流であればあるほど、しなくていい気配りが増えていきます。一流の人は、一度しか会わないだろう人にも気配りをします。気配りをされた側は、「自分は何のお返しもメリットもないのに、気配りしてもらえた」という感激が生まれます。
二流の人は、「権限もお金もない人に、なぜ気配りをしなければいけないのか」と考えます。判断基準が、「この人に気配りをして、見返りがあるかどうか」なのです。それは気配りではありません。
「気を配る」と「気をやる」とでは違います。「やる」は、選んで何かをすることです。「配る」は、みんなに分けることです。相手を選んで気配りをすること自体、本来の言葉の意味と矛盾しています。
「この人にこんなに気配りをして、見返りもないのにムダなことをしているのではないか」と、クヨクヨする必要はまったくありません。一流の人は、いつもこの先会わない人にも、気配りをしているのです。
一流のリーダーも、二流のリーダーも、恩人を持っています。二流のリーダーは、好きな人が恩人です。一流のリーダーは、嫌いな人だけど恩人という存在を持っています。
ビジネススクールで「あなたにとって恩人は誰ですか」と聞くと、「困っている時に助けてくれた人」という答えが返ってきます。「その人のことは好きですか」と聞くと、「好きです」と答えます。
ところが、「あなたにとって嫌いな恩人はいますか」と聞くと、「嫌いなのに、なぜ恩人なのですか」と言うのです。「好き嫌い」と「恩」とは、まったく関係がありません。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授