部下が自発的に望ましい行動を繰り返し、成果を引き出すようになるには?
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「普通に生活できれば別にいい」
「問題なく仕事をやれていればいい」
昨今のビジネスパーソンは、このように考えています。
市場が拡大を続けていたかつての日本では、誰もが働けば働くほどお金を稼ぐことができました。しかし、現代社会は違います。「がんばって会社にしがみついていたところで、成功はたかが知れている」。特に、そんな空気感の中で育ってきた若い世代は、「がんばって、どうなるの?」と感じています。
組織のリーダー、マネジャーが何よりも肝に銘じておかなければならないのは、まずこの「認知のゆがみ」です。
それでは、多くの人は何を求めているのでしょうか?
一番は「時間」です。「遅くまで会社に残って成果を挙げるよりも、早く帰ってゲームをしたい」。冗談のようですが、現場の声を聞いてみると、自分の時間を第一に考えているのです。
なおかつ、日本政府が掲げる「働き方改革」もあり、「残業ゼロ」「非正規労働者と正社員の格差是正」の波が押し寄せてきています。
私は現在、企業向けに人の行動を科学的に研究した「行動分析学」を基にした「行動科学マネジメント」のコンサルティング会社や小、中高生向けの教育関係の会社など、3つの会社を経営しています。そして、全ての会社で残業ゼロを実現させています。
なぜ、私たちが残業ゼロに取り組んでいるのかというと、「そうしなければ、会社が存続できない」と、はっきりと分かっているからです。それはなぜなのか? そうしなければ、働き手がすぐに辞めてしまうからです。
これは、全ての企業が直面している極めて危機的な問題です。
売り上げや業績を落とさずに残業ゼロを実現するということは、「生産性をアップする」ということです。では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
答えは、「仕事の標準化」にあります。
「標準化」とは、簡単にいってしまえば、「仕事に人を付ける」という発想です。「仕事に人を付ける」ためには、新人でも外国人でも同じ結果を出せるように、業務内容を明確にする=「見える化」されている必要があります。一方、「人に仕事を付ける」スタイルでは、業務のブラックボックス化が進み、その人に頼った状態=「属人化」が進んでしまいます。
仕事の標準化を仕組みとして導入しなければならないのです。こうした取り組みを実行するのが、現場リーダー、マネジャー、管理職という、いわば「現場で部下と接する人」です。
これが、「仕組み」のある理想的な環境です。
こうした条件が整った結果、部下は自発的に望ましい行動を繰り返すのです。その結果として、自身のベストなポテンシャルを引き出し、成果を引き出すようになります。これこそが、行動科学マネジメントの目指す理想の状態です。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授