デジタルイノベーション部は、経営計画の戦略に基づき、FinTech関連ビジネスを立ち上げる「実行部隊」として、スタートアップなど社外のプレイヤーとの連携を進めると同時に、社内の風土を変えるという目標も持っている。その風土改革の1つとして最初に取り組んだのが、服装についての社内規定を変えることだったそうだ。
「ほとんどの銀行には、業務中の服装について『ビジネスにふさわしいスーツを着用すること』といった規定があるのですが、FINOLABのような場所でスタートアップの方たちと話をしようと思うと、スーツではかえってTPOに合わないんですよ。だから『ビジネスカジュアルOK』に変えてもらいました。
最初は違和感を覚えた人もいたかもしれませんが、きちんと手続きを踏んでルールを変えた上で、新しいビジネスも生み出すようになって、社内でも徐々に認められるようになってきたと感じています」(大久保さん)
2017年に設立したBlue Labは、デジタルイノベーション部のメンバーが兼務し、大久保さんはCTOを担っている。こちらはWiLとみずほの他に複数社が出資しており、場所だけではなく、組織的にも、みずほフィナンシャルグループから独立した形で運営している会社だ。そのため、スピーディに判断して、プロジェクトを進めることができる他、いわゆるカニバリゼーションを気にせずに、さまざまな挑戦ができるという。
「今、異業種との連携で新しいサービスを生み出すプロジェクトが並行していくつも動いています。新しいことを10個試して、そのうち1つでも自社に持って帰れればいい――そんなスタンスですね。銀行の中で進める場合、似たようなプロジェクトが既にあれば、そちらが優先されてしまうので、10個試すこともできない。そもそも、打席にすら立てないわけです。
また、うまくいきそうな1個をビジネス化するとなったら、さまざまな手続きを踏む必要があるでしょう。しかし、それも別会社であれば圧倒的に早いです。予算の申請にしても、銀行では稟議(りんぎ)書を書いて、担当者と調整している間に2週間ほどたってしまうような話が、社長にメールで申請して、OKをもらえればすぐに進められますし」(大久保さん)
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授