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» 2019年05月16日 07時39分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:「場当たり的」が会社をつぶすに込める強い思い〜今こそ、総力戦で乗り切ろう!〜 (1/2)

自分たちの役割や理想のために企業活動をすべきなのに、成長を言い訳に、なんとなく「場当たり的」に考え、行動する癖がついてしまい、そこから抜けきれなくなっていないか。

[北澤孝太郎,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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『「場当たり的」が会社を潰す』

 この本は、新潮新書の編集の方と打ち合わせをしているときに、世の中、ものすごく「場当たり的」になってきていないか。会社や国も、何処へ向かっていったらいいのかよく分からない状態に陥っていないか。このままだったら、これだけ変化の激しい状況の中で、対処できない組織や人が多くあらわれるにちがいない。と話していくうちに、北澤さんなら「場当たり的」をキーワードに組織や働き方を論じられるでしょう。と言ってもらい、筆を執る気になりました。

 日本の企業は、高度経済成長期から、こぞって、高い成長(高い売上と利益)を目標に、我武者羅にまい進して来ました。しかし今、そのことが、逆に自らの存在を危うくし、他社と差別化しにくい体質に陥っていると言えないでしょうか。本来は、自分たちがやりたいこと、自分たちの役割や理想のために企業活動をすべきなのに、成長を言い訳に、なんとなく「場当たり的」に考え、行動する癖がついてしまって、そこから抜けきれないでいるような気がします。

 それは、歴史をひもとけば、日本が戦争に負けてしまって、ある意味アメリカから、経済成長や平和と引き換えに、日本がどんな国でありたいか、どんなことをしたいのかは、考えなくていいとされたからということが大きな流れでしょう。もちろん、それでみんなとても幸せになったという事実はあります。しかし、その平和は、とても危うい、限定的な平和です。つまり親に擁護されている子どものように、誰かに守られているうちはとても幸せだけれど、それがなくなったら自分で考えないといけないし、自分で稼がないといけない。今の日本は、アメリカが年老いてきて、子供はそろそろ自立しないといけないのに、その訓練ができていないから、自ら考えることができない、立てない、どうしていいのか分かならい、そんな状態だと思うのです。

 われわれ日本人も、その中で暮らし、ものすごく平和にやってこれて、それはそれで幸せなんだけれども、逆にものすごく「場当たり的」に生きていく癖がついてしまっているといえると思います。本来は、自分の「思い」、自分はどうありたいか、自分は何をしたいのか、成し遂げないのかを深く考え、それがたとえ一時的なものであっても、多少のことでは揺るがないところまで練り上げたものをまず持つべきです。そして、それを成し遂げるためには、と考えてその構造、それを成り立たせる仕組みを考えます。

 私のモデルでは、まず、成り立たせるために必要なプロセス、それに付随する知識は何かを考えそれの修得に励むことです。そして、自分のもっている価値基準、つまり考え方の癖をよく理解し、それをコントロールする訓練をします。そのうえで、自分がこれからする努力が無駄にならないように、人と違う、つまり人から選ばれる存在になるための価値(これを本書では顧客価値と呼んでいます)を創り出すことが必要です。人は結局人の集団で生きているわけですから、自分には合わない、人との違いを創り出せない的外れな努力を続けても、結局はみんなが認めてくれないことになってしまいます。

 それらをしっかり考えあげたうえで、自分なりの戦略をもつべきなのです。そしてそれを戦術に落とし込むべきです。本書にもありますが、「強い思い」→「それを成り立たせる仕組み」→「戦略」→「戦術」 の順番です。前半の「強い思い」や「それを成り立たせる仕組み」を深く考えないで、取りあえず行動を起こすための戦略を決めてしまって、それによって成果のあがりそうにない戦術が非論理的に提示される状態を、まさに「場当たり的」と本書では読んでいます。

 あなたは、普段から上記のように深く考えて行動しているという自信がありますか。いつもはそうでないかもしれないが、大事なところではそうしていると思っているなら結構ですが、それがみんなに分かるように、はっきりとした言葉にまで落とし込まれているでしょうか。特に、組織を担う人、これからのリーダーは、必ずそれが重要になります。今までのように、同じモチベーションで頑張れる、物質的にいい生活をして、なんとなく中流でいられてなんてことはもうあり得ません。いろんな「思い」の人を率いていくのがこれからのリーダーです。

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