新規事業開発は、ある種「確率論」である。
近年、さまざまな理由により、どの企業も新規事業を開発することに躍起になっている。既存事業のジリ貧、見えない未来、金余り、「オープンイノベーション」というやらなければいけないらしいものの登場……きっかけは枚挙にいとまがない。しかしながら、専門組織を作りながら進めていくもなかなかうまくいかない。進まない。すでにライバルにしてやられた。そんなことが多くないだろうか。
そこで弊社は、「多産多死」による新規事業開発を常々主張している。「多産多死」とは、たくさんの新規事業のタネをつくり、それを試し、その中でダメなものは殺し、いいものを選び抜くというもので、ある種「確率論」である。VCやスタートアップの世界では、業界やテーマごとにこの「確率」がおよそ決まりつつある。
しかしながら多くの企業では、一つの事業アイデアに固執したり、その事業のリスクを全てヘッジしていないとトライアルを実施することを逡巡(しゅんじゅん)したりと、必ずしも「多産多死」でやっているところは少ない(「多産多死であるべきだ」と思っているにもかかわらず)
その背景は、いろいろ理由が考えられるが、新規事業アイデアを量産する方法や、多くのアイデアを一気に試していく方法が分からない、ということが大きな要因の一部だと考えている。
すでに多くの企業が、新規事業のアイデアをたくさん考えている。自分たちの強みをベースに、それを生かせる事業領域やビジネスモデル。実現性を強く重視して、いまから一歩先を見る。しかし多くがなかなかうまくいかない。それは、実現性を重視するあまり、市場規模が大きいか、安定的か、利益率は高いか、などなど、現時点での安心材料を求めてしまうからだ。逆説的だが、市場規模が大きくて安定的な事業領域は、もはやほとんどがレッドオーシャンである。実際に参入すると、戦略モデルの強さよりも、オペレーショナルエクセレンスが求められ、先行者に圧倒的に分があることに気付かされる。
新規事業に何を求めるかによるが、新しい柱を構築することを大目的として掲げるならば、ブルーオーシャンないしはそれに準ずる領域をいかに見つけることができるかだ。まだ市場として成立していない領域、とはいえ世界の資本が急激に集まり始めている領域、いまの強みや技術をそのまま使うのではなく再定義の上でピボットできる領域、が求められる。
弊社では他の企業と協業して、世界の資本が集まり始めている事業領域や技術を特定することができる。それを一定の範囲の中でマッピングすることが可能だ。また、保有する技術や特許などをベースに、それらへの拒絶査定引用などをつぶさに分析して、新しい事業領域にピボットさせるアイデアも多く生み出すことができる。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授