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» 2012年05月11日 08時02分 UPDATE

世界を股にかける!──A global player!:フランス語、話せますか?

異文化交流、国際的な環境で仕事を成功させるために、他国の文化を学ぼう。

[ジャスミン・A・ワグナー,ITmedia]

 数カ月前、パリ経由で東京からドイツへ、ビジネスクラスで旅をした。パリに到着する直前に機内アナウンスが流れたが、フランス語だったので皆目分からない。早朝の疲労感にぐったりしていたわたしの耳は、しかし突然にアナウンスの最後の部分が英語であることを聞き分けた。「……数分後にパリへの着陸を開始します……」と言っている。フランス語なまりだったため、それが英語であることをすぐには理解できなかったのだ。

 わたしはこれまで、シャルルドゴール空港でもパリ市内でも、英語を話さないフランス人に何度も遭遇してきた。英語を話すフランス人であっても、フランス語でしか答えない人をしばしば見かけた。これはビジネス界でも同じである。英語は世界のビジネス共通語として認知されているが、フランスでは違う。

 フランスにおけるビジネスの第一言語は、いまだにフランス語なのだ。フランス語での交渉や契約は少しずつ減っており、ビジネスの場で英語が認められる機会も増えてはいる。しかし、フランスで仕事をする場合は、やはり通訳を随行させるのが賢明だろう。

 フランス語の微妙な語感を正しく解釈するためには、通訳の力が必要になる。同じ単語でも、英語とフランス語とでは意味にちょっとした違いがあり、しかもその違いがきわめて重要になるケースも少なくないのだ。例えば英語の「compromise」は、平等で均衡の取れた合意に至ることを指す。一方、フランス語の「compromis」には、悲観的な告白をするという意味がある。

 フランスと日本の文化を比べてみると、序列化とリスク回避という点で、非常に似通っているのが分かる。フランス企業の間には明確な階級があり、同じ階層に属している企業同士は、(友人同士のような)持ちつ持たれつの関係を築く。階級が上の企業に対しては、敬意を払って距離を置くのが普通である。

 ところが、こと議論や交渉となると、フランス文化と日本文化には大きな差が現れる。フランス人は論じ合うのが大好きだ。みずから語り、ビジネスパートナーにもそれを期待し、対策や解決法を見つけては共有する。フランス人は、意見が分かれることを恐れない。自由に論じ合うこと自体が重要なのであり、哲学的なアプローチから始めるケースも珍しくはない。

 時間を守ることについても、両者は異なっている。フランス人のマナーでは、30分程度の遅れは許容範囲内だ。会議が時間通りに開始されなくても、心配する必要はない。商談相手にやる気がないから、会議が遅れるわけではないのだ。時間をかけることも、フランス流ビジネスの一環である。

 フランスの著名な哲学者、ジャン・ポール・サルトル(1905-1980)の言葉を引けば、「何かをするには、3時は遅すぎるとも言えるし、早すぎるとも言える」。

著者プロフィール

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ジャスミン・A・ワグナー(Jasmin A. Wagner)

ドイツ、ハンブルク出身。2歳の時に両親とともにヨットで世界一周の旅に出発。その後15歳になるまで世界30カ国以上を訪れる。この旅についてのニュースは世界中で評判になり、韓国で絵本が出版され、日本でも多くのメディアで紹介される。アジアには10〜15歳まで滞在。そのうち4年間は奄美大島に滞在。その後も両親は旅を続け、自分は1人でドイツに帰国。優秀な成績で学業を修め、経営管理学ディプロマ Diplom-Betriebswirt(BA)を取得。ドイツの有名自動車企業に就職後、28歳でエグゼクティブに抜擢される。

世界中の支社で働くうちに、それぞれの国に大きな特徴、強み、弱みがあることに気づく。コミュニケーションスキルでビジネスの成功に大きな差が出ることを痛感。ニューヨークにてイメージコンサルティングスキルを学ぶ。キャリアの傍ら、グローバルコミュニケーションやイメージコンサルティングセミナー、トレーニングを展開する。独、仏、英語、日本語を話す。空手初段。


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