連載
» 2017年12月07日 07時07分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:「気難しい年配者」にも好かれる社員が持つ3つの条件とは (1/2)

あなたの部下が年配者に失礼な事をしてしまい、「あの若造はもう来させないでくれ」などとトラブルになったことはないだろうか。どのように接すればいいのだろうか。

[平松類,ITmedia]

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年配者・高齢者がビジネスを決める

『老人の取扱説明書』

 あなたの部下が年配者に失礼な事をしてしまい、「あの若造はもう来させないでくれ」などとトラブルになったことはないでしょうか。私はのべ10万人以上の年配者を見てきました。と同時に年配者に嫌われる職員・好かれる職員も見てきました。職員が年配の人を怒らせてしまい、おわびをした回数は数えきれません。そのたびに職員には注意をしていますが、なぜ年配の人に対して失礼な態度をとってしまうのか最初は分かりませんでした。てっきり「礼儀」がなっていない、「職員の資質の問題」と勘違いしていたのです。

 しかし、年配者に好かれる職員・嫌われる職員の差を見る、多くの高齢者を観察する、国内外の文献も調べ尽くすことで、好かれる職員が持っている条件がはっきりしてきたのです。ビジネスの現場において、年配者はお客様の中でもとりわけ「受注・購入の最終決定者」であることが多く、同じ会社内でも「上司・実力者」です。その年配者に対してどう接すればいいのか部下は知らない事が多いでしょう。

 リーダーのようにある程度経験を積めば分かるような常識も、部下には高度な技術に見えます。まして、現代は核家族化が進み高齢者や年配者と接する機会はほとんどありません。仕事の後に上司と飲みに行くわけでもなく、同僚や友達と付き合う事が多くなります。そのため、若者は年配者との会話には不慣れです。私のように病院という医療現場、高齢者が多い現場でさえこのような現象が起きています。

無知が引き起こす年配者のクレーム

 ある女性職員が60歳前後の人に話しかけました。相手が聞こえにくいようなそぶりをしていました。そこで大声で話しかけました。すると患者さんは「年寄り扱いしやがって、うるさい」と激怒しました。年配者や高齢者に話し掛ける時は、甲高い声で話しかけてはいけない、低い声で話し掛けるべきというのは経験のある人なら知っているでしょう。これには科学的な理由があります。

 低音域に比べると、高音域の方が加齢とともに聞き取りにくくなるからです。この現象は50代から始まり、60代、70代となるにつれ顕著になります。年配者に話しかける経験をある程度積んでいる人であれば、無意識に相手に合わせて声のトーンを変えます。しかし、経験も知識も少ない人は、知らずに高い声で話しかけてしまいます。すると相手は聞きにくいので聞き返します。「耳が悪いのかな」と思って大声で話し掛けることになりますが、大きくて高い声を出すと「リクルートメント現象」といって耳鳴りのようにうるさい音が響いたように聞こえてしまい、相手を不快にさせます。そうやってクレームを生み出したのです。

 ある男性職員は「あの高齢者は気難しくて話しにくい」と言っていました。確かに無口な人です。ちょっとムスッとしているように見えました。けれども実際は気難しいのではなくて、声を出すのが大変で話すのが不得意な人だったのです。声を出すのは声帯という場所を主に使います。年齢により声帯が萎縮することが、女性では26%程度ですが男性では76%と2倍以上も起こるのです。ですから、声を出すのがおっくうになり気難しく見えているだけで、本来はもっと積極的に話していい相手だったのです。

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