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» 2018年12月06日 07時07分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:心をつなぐ接客。“やりがい”で人は輝く (1/2)

丸亀製麺のユニークな人事や接客とは?

[小野正誉,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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『丸亀製麺はなぜNo.1になれたのか?』

 讃岐釜揚げうどん「丸亀製麺」を運営するトリドールホールディングスで、社長秘書・IRを担当している小野正誉です。仕事柄よく質問を受けるのは、「人手不足が話題になっているが、採用はできているか」「人件費が高騰しているが、それを補うためロボット化などによる効率化は図るのか」とうものです。

 丸亀製麺では、比較的人員も充足できていますし、機械化により効率化を図るというより、むしろ手間暇をかけたオペレーションにこだわり業績を伸ばしてきました。

 今回は、「中高年を採用する」「マニュアルで縛らない」などのユニークな人事や接客について話します。

 丸亀製麺のオープンキッチンで働くのは、つい「おっちゃん」「おばちゃん」と呼びたくなるような中高年の親しみやすいパートナーさんたちです。(弊社では、パート、アルバイトスタッフのことを「パートナー」と呼びます。)どの飲食店もパート、アルバイトを活用しているという点では同じですが、丸亀製麺では40代以上の方がたくさん活躍していて、しかも圧倒的に女性が多いという点が特徴です。

 本場の讃岐の製麺所でも、おっちゃん、おばちゃんと親しまれている人が店を切り盛りしている光景を目にします。そのアットホームな雰囲気が、気軽にフラリと立ち寄れるような讃岐の製麺所の空気をつくっているのです。

 特にうどんや天ぷらは料理経験の豊富な人が作った方が、おいしくできます。そもそも、目じりにしわがあり白髪交じりのいぶし銀の男性がうどんを作っている姿を見ると、それだけでおいしそうだと感じるのではないでしょうか。

 割烹着の似合う中高年のパートナーさんだからこそ、おいしさやぬくもりを感じるという効果があるのです。ですので、丸亀製麺は開業したころから意識して中高年のパートナーさんを採用してきました。

 通常、チェーン店は社員が店長になり、現場のスタッフを差配するという構成になっています。丸亀製麺も、社員が現場で一から経験を積んで店長まで務めるというケースもありますが、社員店長を置いていないお店も結構あります。

 20代、30代の、いつ異動するか分からない若手社員がお店を守るより、その地域で生活しているパートナーさんに任せたほうがいいだろう、という考えなのです。

 熟練のパートナーさんは、「来週あの学校の運動会があるからお客さん増えるよ」とか、「お祭りあるから、たぶん今日は暇やで」とか、地域情報を熟知して、それに合わせて動いてくれます。

 最近は、AI(人工知能)を使って売上予測を立てるサービスの開発が進んでいます。前年度の売上や、天気や曜日のデータを入力し、そこから今日の売上を予測して商品のロスが出ないようにする。確かに、それは確度の高い予測ができるし、効率的かもしれません。しかし、AIには人を感動させることはできません。従って、これからも丸亀製麺ではAIが出すデータより、おっちゃん、おばちゃんの経験や勘を重視していきます。

 また、中高年の方が、仕事に誇りを持つ傾向が高いように感じています。中高年のパートナーさんは、それまでにさまざまな人生経験をしており、ビジネスマナーを一から教える必要はなく、自分が求められている役割を瞬時に理解するので、とても頼りになる存在なのです。

 私自身も店舗研修の際、熟練のパートナーさんに調理を指導してもらいました。おばさんに天ぷらの揚げ方やおむすびの握り方を教えてもらい、おじさんには製麺のやり方を教えてもらったのです。

 「私が握るおむすびだからおいしいの」「俺が作るうどんやから、特別にうまいんや」といった言葉を聞くたびに、この仕事を愛し誇りをもっているのだな、と感じました。

 特にコミュニケーション力が非常に高いおばさんたちは、お客さまに「天ぷら、揚げたて取っていってよ!」とどんどん声を掛けています。常連のお客さまが体調を崩してかけうどんしか頼まないことに気付き、「どうしたの?」と心配するパートナーさんもいます。そのパートナーさんはお客さまが他のメニューを食べられるようになったことにもいち早く気付き、「元気になったの? よかったね」と声を掛けていました。若い人が、見ず知らずの相手とそこまでのコミュニケーションを取るのはとても難しいでしょう。

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