BIツールを利用して、バラバラに浮かんでいる、実態のなさそうな数値やその他の情報から、新しい取り組み方を見出すにはどうすればいいのか。
Business Intelligence、ビジネスにおける「知性」というものは、業務の経験だけではなく、業績関連の数字を詳細に分析することから生まれる。つまり説得力がある結論が導かれることで、そのプランの影響力が強くなるというわけだ。
これまで、こうしたインテリジェンスを生み出すためのITツールは綿々とした歴史を刻んできたわけだが、どちらかというと経営企画部などの内勤中心で、経営層に近い部署が活用してきた。経営層が常に知りたがる情報というのは、財務データからはじき出されるものが中心で、勢い、一般の社員が触れる機会の少ないものが多かった。いわば奥の院でやりとりされる数字という色彩が濃かったわけだ。
しかし、ここ数年、業務データに開示可能な財務を中心とした経営データなどを織り交ぜ、機能が強化されたツールを現場社員が駆使する機会が増えてきている。
いまや、BIツールはERPやCRMなどのデータが集積されるシステムに必ずといっていいほどセットされ、常に蓄積された情報にアクセスできるようになっている。そして現場の社員がそれらを活用し、自分の行動プランに役立てている。
しかし、活用の実際の現場では難しい問題もある。こうしたデータを活用するスタッフとそうでもない社員が偏在するということだ。データ活用がすぐには結果に結びつかなくても、粘り強く継続することでスキルが上がり、足りない情報を求める人材も出てくる。しかし、使わないスタッフは日常の業務に追われて、なかなかうまく浸透していかない。
欧米の企業では、こうしたデータ分析の専門家がいて一定の権限を任され、一手に経営や業務に生かすデータ作りをしている。しかし日本企業にはなかなかそれを実践している企業は少ない。
言ってみれば、BIの現場活用は止むにやまれぬ事情、「欲しい情報を用意してくれる部署がない」ということから生まれたという見方もできるわけである。
現場は常にプレッシャーを受けている。データを集め、分析することは大切だと分かっていても、結果を出すために使う時間に追われ、なかなかじっくりと数字やその他のデータに目を通すのは難しい。
こうした現状を考えれば、BIの現場活用は、ただ末端の社員に至るまで活用できる情報の窓口を作るだけでは実現できない。ではどうすれば、組織の中でデータ活用は活発化するのか。今回の特集では、企業の現状とデータの取り扱い方を踏まえて、ビジネスにおける知性について考える。
「そもそもBIは、もう懲りた、コスト高、活用が難しいというイメージがまだまだ根強いものです。活用している企業はどんどん先へ行っていますが、躊躇している企業も多いはずですよ。現場での活用となると、本業に支障が出ない、操作性に優れたものでなければ、なかなか定着しないのではないですか」
こんな話をしてくれたのは、ウイングアーク テクノロジーズのDr.Sum事業部、事業部長の小島薫氏である。
こうしたイメージについては、確かによく聞かれる話だ。「懲りた」というのは、少なからず企業として関心を持ち、一度は導入したものの、基幹システムからのデータ抽出がうまくいかず、時間がかかってしまい、結局誰も使わなくなった、というパターンが多い。
引き出したいデータは分かっているが、実際にそれを実行しようとしても、古いデータが忘れた頃にやっと届くということもある。そんな状態では、当然継続的に活用しようということにはならない。
同社の集計・BIツール、「Dr.Sum EA」は、こうした悩みを払拭させる機能性を誇る。独自のデータベース技術で、さくさくとデータを抽出し、集計、分析することができる。
「Webブラウザでどんどんデータにアクセスすることができれば、BIツールに対するイメージもガラリと変わります。仰々しいものではなく、現場で必要なデータ活用ができ、そこで培われたノウハウが自然と蓄積されていきます」(小島氏)
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授