「太陽電池は油田だ」――シャープ・町田会長(2/2 ページ)

» 2008年11月14日 10時50分 公開
[伏見学,ITmedia]
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資源不足を“創エネ”で解消

 環境問題への対策というと、いわゆる「省エネ」を考えがちである。しかし町田氏は「省エネと並んでエネルギーを生み出す“創エネ”が重要だ」と述べる。こうした背景には中国やインドなど新興国によるエネルギー消費の増大と、それに伴う地球規模の資源不足がある。日本エネルギー経済研究所の調査によると、2005年に103億トンだったエネルギー消費量は、2030年には165億トンになるという。特にアジア地域においては32億トンから65億トンと約2倍に増大する。エネルギー消費を抑えることはほぼ不可能であるため、石油など既存の資源に代わる新たなエネルギーが必要なわけだ。

堺コンビナート太陽光発電施設の完成イメージ 堺コンビナート太陽光発電施設の完成イメージ

 シャープでは、2010年4月までに堺工場で太陽電池の年間生産能力を1Gワットまで拡張する計画を立てる。この生産を20年間続けると、石油換算で約3000万バレルに相当するエネルギーがつくられるという。

 「もし堺工場が50個あれば、日本の年間原油輸入量にあたる15億バレルを補うことができる。まさに太陽電池は油田である」(町田氏)

 太陽電池の発電コストはどうか。太陽電池は温暖化ガスの排出は抑えるものの、火力や原子力などのエネルギーに比べて割高な点が課題である。シャープは、2007年に1kWh当たり46円だったコストを、2010年には23円、2030年には7円に下げるという目標を掲げる。「2010年の目標値はクリアできるはずだ。23円になれば(一般家庭での太陽電池の活用も進み)もっと身近なエネルギーになる」と町田氏は強調する。

今こそ日本の粘り強さを

 環境問題に対するこうした地道な取り組みは、日本では今に始まったことではない。森林ジャーナリストである田中淳夫氏の著書『森林からのニッポン再生』によると、江戸時代ははげ山が多く、第二次大戦後の植林で緑化が進んだ結果、現在では国土面積の67%にあたる約2500万ヘクタールが森林だという。

 「国土の半分以上を占める森林は、日本が長きにわたり環境問題に取り組んできた産物だ。この粘り強さがあれば地球温暖化問題は解決できる」(町田氏)

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