質問する頻度は、最初は1週間に1回、慣れてきたら2週間、3週間、1カ月と少しずつ長くしてもいいだろう。フォローアップをすることで、自身のリーダーとしての資質、リーダーシップにも大きな変化が現れる。定期的なフォローアップをした場合としない場合で、大きな違いが出ていることが次の図で分かる。
「リーダーが抱える20の悪癖」で紹介したエグゼクティブコーチングの第一人者であるマーシャル・ゴールドスミス氏が著書『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』で、フォローアップについて次のように述べている。
・フォローアップは、あなたの進ちょく状況を測るものだ。
.フォローアップは、あなたが変わろうと努力をしていることを周りの人に思い出させるだけでなく、彼らはその手伝いをしているのだということも思い出させる。
・フォローアップは、やがて職場の人の心の中に、あなたの努力を刻み込む。
・フォローアップは、変わることができるのかという職場の人が抱える懐疑心を消し去る。
・フォローアップは、よい方向に変わるということは継続的なプロセスであり、一時的な宗旨替えとは違うことを認識させる。
(出典:『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』(日本経済新聞出版社)より)
もしコーチングを受けている人ならば、定期的に自分からコーチに質問するか、コーチに質問してもらうといい。
コーチを持つ利点について触れたい。わたし自身もコーチを雇っており、彼から定期的にチェックを受け、その都度自分の改善点に気付かされている。コーチを抱えるメリットは、卓越した成功をするためである。目標を決め、戦略を練り、それに対して組織全体でモラール(士気)とモチベーションを持って取り組めば大半のことは解決する。
そうした組織にするためにリーダーは、自分が変わるために必要なもの、改善点を選んで自己変革に取り組んでいく。改善しているかどうかはなかなか自分では気付かない。そこで、指摘してくれる人を周りに置く。その役割を果たすのがコーチである。
多くのアスリートたちは、優れたコーチと二人三脚でトレーニングに取り組み、結果を残していく。これと同じように、日本でもこれからは、優れたビジネスリーダーには、優れたコーチが必要になってくるのだ。
ダイエットもフォローアップがないと続かないように、リーダーとして自己変革をする上でもフォローアップがないと継続は難しい。自分が信頼できる人もしくはコーチに質問し、定期的にフォローアップして、客観的に評価してもらえば、自己変革できると信じている。
細川馨(ほそかわ かおる)
ビジネスコーチ株式会社代表取締役
外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授