内山悟志の「IT人材育成物語」
【第6話】仕事の優先順位(1/2 ページ)
内山悟志の「IT人材育成物語」 前回までのあらすじ
「これから何を検討するか」についてのブレインストーミングは佳境に入っていた。川口の巧みな誘導のかいもあって、宮下と奥山の2人からは核心を突いた大局的なテーマが数多く挙がった。特に、休憩後の“最後のひと絞り”では、「情報システム部の5年後のあるべき姿とはどのようなものか」、「いかにしてIT部門が業務改革をけん引できるか」など非常に壮大かつ根源的な重要テーマが次々と挙がり、ホワイトボード一杯に約30のテーマ案がぎっしりと書き込まれた。
次に、出そろったアイデアを絞り込む話し合いが行われ、最終的に「事業に貢献するIT活用のあり方とは」という検討テーマが決定した。
ささやかな出陣式
「さて、2時間近く頭を使って少し疲れただろう。今日はここまでにして、近くにご飯でも食べに行かないか」と川口が2人を誘った。
「大賛成! 正直、ヘトヘトです。こんなに集中して頭を使ったのは久しぶりです」と疲れ気味の様子を見せていた宮下は元気を取り戻したように立ち上がった。帰り支度をした3人は連れ立って、会社の近くにある川口が行きつけの和食処ののれんをくぐった。
座席に着くと間もなくしてお通しとビールが運ばれてきた。「じゃあ、今日はわれわれの勉強会のささやかな出陣式だ」という川口の言葉の後、一斉に「乾杯!」の声が上がった。
3人はしばらく今日の勉強会の話に花を咲かせた。3人がこうして会社帰りに連れ立って飲みに来たのは実は初めてのことだった。宮下と奥山は、川口を仕事のできる先輩として尊敬していたし、いつもストレートでフランクな振る舞いにある種の憧れを抱いていた。しかし、情報システム部はいつも忙しく、残業するメンバーも多いため部内の何人かだけが「お先に」といって飲みに行く雰囲気ではなかった。数少ない歓送迎会などの時でも出席率はいつも半分程度だった。
「ところで川口さん。川口さんはいつも仕事がすごく速いですよね。何か効率的に仕事を進める秘けつでもあるのですか」と宮下が真面目な顔で質問した。
「秘けつなんてものは無いよ。強いて言えば、仕事の優先順位には気を配っているかな」と川口が少し照れながら応えた。「わたしも前から聞きたいと思っていたのですよ。優先順位ってどういうことですか」と奥山も興味津々に問い返した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
富士通、新方式の量子コンピューター試作機を世界初開発 ダイヤモンドで計算精度を向上
-
2
「法律以前に、やるべきことがある」──ANA和田氏×SBT辻氏が語る、能動的サイバー防御の本質
-
3
セキュリティは「使えてなんぼ」 認証との偶然の出会いから22年 - NTTデータ 星野氏
-
4
「AI社員」活用、NECは無人部署 DeNAには17体、南場社長「けなげ」と太鼓判
-
5
中国人も台湾人も夜遅くまで働いている 日本人だけが「働き方改革」でいいのか
-
6
Agentic AI前提でセキュリティを作り直す - Sansan 鴨志田氏
-
7
教養は、ビジネスパーソンの武器になる――世界のエリートが学んでいる教養書 必読100冊を1冊にまとめてみた
-
8
新幹線にスマホ10台! 説明前にまず自分で確かめる - Zimperium 成田氏
-
9
AIペットロボット「モフリン」好調、カシオが新規事業に注力 4本目の柱に育成 月刊Biz・switch
-
10
「技術を知らなければ、適切なリスクは取れない」 マネーフォワードCISO 松久氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー