景気低迷によって暗いニュースばかり飛び交っている。こうしたときこそ、元気良く大声を出すべきだ。
昨秋以降の景気の低迷により、企業業績や雇用情勢の悪化など、暗いニュースばかりを耳にする機会が増えた。そんな今だからこそ、元気で明るい気持ちになることがとても重要であると日々痛感している。
人は元々、心配性な側面を持っており、意識しないとささいなことで不安や悩みが大きくなり落ち込んでしまう。今回お伝えしたいのは、落ち込んではいけない、ということではない。物事がうまくいかないとき、無理に頑張ろうとすると、気持ちがついていかずに焦ってしまい、かえって大きな失敗を引き起こす場合がある。時間があれば、気持ちがついてくるまで、無理をしないことも必要だと思う。
ただし、落ち込んだ状態が長引くと、前に進むことができなくなってしまう。場合によっては、うつなどの精神的な病を患う危険性もあるのだ。では、どうやってそのような状況を打破していくのか。2つの方法をお教えしたい。
明るい言葉を口にする
大きな声を出す
最近、メンタルヘルスを専門とする会社を訪れる機会があった。オフィスに入った瞬間、衝撃を受けた。壁を埋め尽くさんばかりに、明るい言葉がずらりと掲示されていたのである。「君ならできる」「頑張っているね」「積極的だね」「ありがとう」「美しいね」……。こうした言葉が壁一面に所狭しと掲げられているさまは圧巻だった。
明るい言葉には次のような力がある。
(1)周りの人が元気になる
(2)自分も元気になる
(3)やる気がわいてくる
第一に、明るい言葉は周囲を元気にする。「頑張っているね」や「素晴らしい」と言われて嫌な気持ちになる人はいないだろう。そうした言葉を掛けられることで、元気になれる。
第二に、明るい言葉を発することで自分自身も元気になる。「積極的だね」「素敵だね」と前向きな言葉を口にすることで、不思議と自分自身が元気になり、周りの人が明るくなる姿を見て、さらに元気をもらうのである。
第三に、明るい言葉は周囲にも自分にもやる気をもたらす。例えば、人を暗い気持ちにさせる言葉にはどんなものがあるだろうか。
忙しい、疲れた、嫌だ、難しい、やってられない、駄目だ、できない、つまらない、やる気がない、もう年だ、どうせ
逆に、人を明るい気持ちにさせる言葉はどのようなものだろうか。
ありがとう、素敵だ、うれしい、幸せだ、楽しい、頑張る、挑戦する、おいしい、簡単だ、できる、積極的だ、素晴らしい
人を暗くするような言葉ばかりを発していると、自ずと暗い気持ちになっていく。意識して明るい言葉を発することで、前向きで元気な気持ちになり、やる気も起きてくるのである。
誰かに何かをしてもらったら、「ありがとう。とても素晴らしい出来だ。嬉しいよ」と明るい言葉を掛けて欲しい。相手はうれしく思うだけでなく、そんなに気持ち良く感謝されるのであれば次もまた協力しようと思うはずだ。チームで成果を挙げたなら、全員で「良くやったね」と言い合って欲しい。チーム全員でやり遂げたという達成感を得て、次も頑張ろうと意気込むだろう。
以前このコラムで「存在に対する承認」についてお話ししたが、部下に明るい言葉を掛けてあげることは、承認することでもある。部下が元気になるだけでなく、リーダーである自分も元気になり、やる気がわいてくる。その結果、職場全体が活性化されていくはずだ。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授