「地方を元気に!」── 元ライブドア社長がクラウドで村おこし・町おこしの支援へ

ライブドアデパートの流れを汲む買う市が、ミニモールを低コストで開設・運営できるクラウドサービスをスタートさせる。初期費用は不要で、月額料金も成果報酬方式になるという。

» 2011年02月18日 08時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]
平松庚三氏は、IDG、AOL、インテュイット(弥生)の社長を歴任し、2006年には粉飾決算事件渦中のライブドアも率いることに。現在は、小僧comで村おこし・町おこしに取り組んでいる

 「地方には眠っている資源がたくさんあり、それを生かす有能な人材もたくさんいる。地方を元気にすることが日本経済を上向かせることにつながるはずだ」── かつてライブドアの社長を務めた平松庚三氏は、このところ毎週のように地方に出向き、村おこし・町おこしの支援を買って出ているという。そんな彼が今も取締役を務めているのが、ライブドアデパートの流れを汲む買う市株式会社。同社は近く、ミニモールを低コストで開設・運営できるクラウドサービスをスタートさせる。

 「特産品の生産者組合などでも、ホームページを開設したり、ショッピングサイトを構築して、ブランドをつくりたいというアイデアはあるが、それを阻害しているのが初期コストの高さと運用のためのITリテラシーの不足だ。クラウドサービスならどんどん新しい事業に挑戦してもらえる」(平松氏)

 買う市が計画している「cau1 クラウドソリューション」は、同社が運営する「livedoor デパート」のシステムをそのままクラウドサービスとして提供しようというもの。複数店舗が出店する、いわゆるモール型のネットショップを独自のドメイン名で開設できる。もちろん、livedoor デパートのために開発された決済、会員管理、ポイント、レコメンド、メルマガなどの各種機能もモジュール単位で利用できる。初期費用は不要。月額料金としてミニマムで数十万の負担は必要だが、あとは売り上げに応じた成果報酬方式となっている。買う市は販売促進やマーケティングなどでバックアップする。

 「これまでのやり方ではコストもかかるし、ノウハウも根付かない。ITのリテラシーも含め、運営のノウハウを地方に残すことが大切だ」と平松氏。

 一昨年から買う市は大塚商会の傘下に入っている。中小の事業者を顧客基盤とする大塚商会と共同でサービスなどの展開が始まれば、地方活性化の起爆剤になるかもしれない。

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