高校生に対して行われたある調査で10人中7人は「あこがれている人がいない」と答えたという。社会人でも「ロールモデルがいない」と嘆く人が多いが、1人で完璧な人などいない。どこかまねたいと思う部分があったらまずそこから始めてみよう。
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最近わたしが企業の人と会っていると、「目指したい人がいない」という言葉を耳にする。今回は、目指す人、ロールモデルについて話したい。
<事例>
ある保険会社の××支店では、3カ月に1回、支店長と部下が直接話し、面談する機会を設けている。X支店長は先日部下のOさんと面談をした。
X支店長:Oさん、最近何か困っていることはあるか?
Oさん:業務で困ったことはないのですが、将来に対して不安を覚えています。自分が目指したいなーと思える人がいないのです。このままでいいのかなーと考えてしまうのです。
X支店長:なるほど。B君は君の少し年上だし、やっていることで類似していることもあるから、彼はロールモデルになるのではないだろうか。
Oさん:でも、B先輩の営業のスタイルはわたしには合わない気がするのです。
X支店長:そうか。でも参考になることはあるはずだよ。話をしてみたらどうだろう?
Oさん:でも、女性ではないですし……。
Oさんはあまり乗り気ではない。X支店長はそれ以上アドバイスをするのをやめてしまった。
少し前になるが、高校生に対して行われたある調査で、3人に2人が「自分はダメな人間だ」と考え、10人中7人は「あこがれている人がいない」と答えたという。「ロールモデルがいない」このように考える人が多いのは、日本全体の問題ではないかとわたしは思う。
ロールモデルがいると、どうなるだろうか。その人に少しでも近づきたいと努力するようになるし、その人と話しているととても幸せである。私事になるが、わたしにはロールモデルと思える人がこれまで何人もいたし、今もいる。
1人は、以前勤めていたクレディセゾン元社長の竹内敏雄さんである。営業の責任者だった当時のわたしは、営業担当の役員といっしょに2、3週間に1回竹内社長と会議をしていた。時間は1時間くらいだっただろうか。いつも「飴でも食べなさい」と言いながら、話をしてくれた。
業務の進捗状況など仕事がメインであったが、それ以外の話もよくしてくれた。生き方や仕事の楽しさなどについていろいろと語り合い、とても話しやすかったことを記憶している。話をすることで、心が豊かになり、仕事の本当の醍醐味や人を大切にすることの大事さを認識させられた。
そして、彼の素晴らしいところを学びたい、まねしたい、と日々思うようになった。仕事で生かすヒントがたくさんあり、元気もたくさんもらった。
今考えると、弊社顧問の大滝哲男氏は守りを教えてくれ、従業員満足度や経営者としてどんな姿勢でいるべきか、公正、Fairとはどういうことか、ということについて適切にアドバイスをくれる。
専務取締役の橋場剛氏には、誠実さやいい意味で自分を捨てる大切さを学ばせてもらっている。取締役の吉田有氏には、親切な気持ちの大事さを学びまねたいと考えている。
なお、わたしのファシリテーションのロールモデルは誰か分かるだろうか。綾小路きみまろさんである。彼の世代を超えて共感を得る話術は本当にすばらしい。何よりも分かりやすい。彼の人を惹きつけ、分かりやすく語る技術はぜひ学び参考にしたいと考えている。
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【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授