サラリーマンが集まれば、どこの居酒屋でも上司の悪口が飛び交うように、古今東西とんでもない上司は、どこにでもいる。時にはひどい上司とは戦う必要がある。その対策とは?
サラリーマンが集まれば、どこの居酒屋でも上司の悪口が飛び交うように、古今東西とんでもない上司は、どこにでもいる。
とはいえ、そんな上司とも毎日仕事を一緒にしなければいけないので、知らん顔して避けて通るわけにはいかない。まあまあ許してやらなければいけないことや、断固戦わなければいけないことがある。
素晴らしい上司にも、またその正反対の上司にも仕えてきた30年を越えるわたしのサラリーマン生活を通して、とんでもない上司を分析・研究してみた。
ひどい上司の3パターン
拙著「バカ上司その傾向と対策」(古川裕倫、集英社新書)に紹介したとおり、わたしはとんでもない上司を3つのカテゴリーに分けている。
(1)性格的に「いやな上司」。暗い、怒りっぽい、いばる、イヤミな上司など。こういう接し方をされるとどんな部下でも頭にくる。
(2)能力的に問題のある「ダメ上司」。何度説明しても理解しないとか、行動力がないだとか。「ダメ上司」の能力に部下は大いに文句はあるものの、「でもいい人なんだけど」と付け加えることが多い。
(3)姿勢がなっていない「バカ上司」。情報を隠匿したり、責任を部下に押しつけたり、悪事を知らんふりしたり。
自分の周りの上司を一度冷静に分析して、どのカテゴリーに入るか考えてみてもらいたい。余裕があれば、自身のことも考えてみてほしい。
わたしは、自分自身を振り返ると多分「いやな上司」である。部下の話をしっかり聞こうとは思っているものの、実際は「話に賛成だとにこにこして聞いているが、反対だとすぐそれが顔に出るので話しづらい」と部下から指摘を何度か受けたことがある。
結論から言うと、「いやな上司」と「ダメ上司」には目をつぶること。性格は簡単に変わるものではないし、能力のない上司が突然できる人にはなりえない。
とはいえ、それらにずっと我慢していろとまではいわない。会社や組織をよくするために必要な指摘は、やんわりと機会を見てすべきである。しかし「いやな上司」の性格的なことにこだわっていたらきりがない。また、ダメ上司に説明の回数を増やすことや能力的にカバーしてやることも部下として必要。自分のためではなく、一つ上の観点に立ち、会社のためと思って行動すべきである。
しかし「バカ上司」とは時に戦う必要がある。
ルール違反など会社を危機に陥れかねない上司、情報を共有せず自分の地位を守ろうと小出しにする上司、セクハラ・パワハラ上司、社会悪に目をつぶる上司、うまくいかないときに部下のせいにする上司などは、断固戦う必要がある。
ただ、下手に戦うとこちらがやられてしまう。バカ上司が組織内で生き続けるのは、それなりの高度な保身術や攻撃術を備えているからだ。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授