新年の1月から年度始まりの4月までは、雑誌やテレビなどあちらこちらで資格や語学学校などの宣伝を目にする。しかし、何のためにやるのか、資格をどのように生かすのか、それが明確でないと結局長続きせず中途半端になる。
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いろいろな学校に通ったり、資格の勉強にいそしんでいる人が周りにいないだろうか。資格を取ることは決して悪いことではないが、その目的が明確になっているだろうか。今回はそのことについて解説する。
<事例>
あるメーカーのSさんは資格の雑誌を興味深く眺めていた。それを見ていたB課長はSさんに話しかけてみた。
B課長:Sさん、何を見ているんだい?
Sさん:何か新しい資格を取ろうと思って、どんな講座があるか見ているのです。
B課長:この前○○の資格の勉強をしていると言っていた気がするけれど。
Sさん:そうなんです。ただ、あれは自分に少し合わないなーと思って、やめました。
B課長:それでは今度はどんなことに興味があるんだい?
Sさん:グローバル化の時代なので、やはり英語はもう1回しっかりと勉強すべきかなーと思っています。以前英会話学校に行ったことがあるのですが、今度は資格を目指してがんばろうかと。あとは経済の勉強も必要だと思うので、その分野の資格にも興味があります。
B課長:意欲的だね。ただその資格を取ってどのように生かすのかい?
Sさん:ん〜。すぐには思いつきません。取ったら考えます……。
B課長はそれでいいのだろうか、と少し頭をかしげてしまった。
新年の1月から年度始まりの4月までは、雑誌やテレビなどあちらこちらで資格や語学学校などの宣伝を目にする。Sさんのように「何かしなければ」と調べたり、体験レッスンに行ったり、ありとあらゆる資料を取り寄せた人がいるはずである。何かを勉強しようと思うことは決して悪いことではない。しかし、何のためにそれをやるのか、資格を取ったらどのように生かすのか、それが明確でないと、結局長続きせず、中途半端になる。
自分はこういうことがやりたい
↓
そのためには○○の分野を伸ばさないといけない
↓
だから○○の勉強をして資格を取る
自分にとってどんな能力が必要かを知り、目的を何度も問い続け、絵を描いてみることが大切である。
グローバル時代といわれ、英語を勉強する人が増えていると思う。しかし、グローバル時代に本当に必要なのは英語だろうか。もちろん英語も大切だが、もしかしたらマネジメントやビジネスの軸になるようなコアスキルを学ぶべきではないだろうか。
まわりの影響で始める、資格をとっておいたらどこかで役に立つから、とやみくもに行動していては、結果としてせっかく資格を取ったとしても生かせず、また「次は○○の資格を取らなければ」となる。資格とを取ることが目的になっているのである。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授