退職したい理由を把握せずに転職すると、転職先でも同じことが起こる。
37歳は35+2歳なのか、40−3歳なのか?――連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」は、40代以降を充実して生きるための100個のルールをまとめた書籍「あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール」の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。
僕が最初に転職を考えたのは30歳のとき。その後も何度か転職し、39歳でソフトバンクグループに入社した。その転職が今の僕自身に大きく影響しているのは事実だ。
最近、30代後半の人から転職の相談をよく受けるのだが、退職と転職を混同して話している人が多い。転職をしたいのだろうが、そもそもなぜ今の会社ではだめなのか、退職の理由はなんだったのか、ということが抜け落ちているように思う。
転職というものは、意識の中では退職の次のステップだ。退職を決意したからこそ、転職活動をし始めるのだと思う。しかし実際には、転職先を決めてから退職の手続きをする人が多いせいか、頭の中でも順序が逆になっている人が多いように思う。転職は精神的にもパワーを伴うものだ。だからこそ、なぜ今の会社を退職するべきなのかをきちんと考えておくことだ。
あなたはなぜ今の会社を辞めようと思っているのか。上司とそりが合わないのか、給与が納得できないのか。退職の理由は、大きく分けて3つだ。
最も多いのは3の「人に対する不満」だ。上司、同僚、経営者の性格、ものの言い方、指示の仕方、評価基準のあいまいさなど、不満になる要素は数え上げてもきりがないものだ。
しかし、考えてほしい。どの理由で退職したとしても、その理由は次の職場でも起こり得ることではないだろうか。特に人が理由で辞めるケースは、論理的に辞める理由を整理しておかなければいけない。
次の職場でもイヤな人がいるかもしれないのだ。職場は人が運営している以上、コミュニケーションミスによる退職は、どんな職場であっても考えられることを忘れてはならない。
転職を考えるときには、退職について自分なりに整理しておくことだ。それが整理できてから転職について考えるのが望ましいと思う。
大木豊成著
明日香出版社
1470円(税込み)
40歳を目前にした世代が、悩んだり困ったりしていることに対して、人生経験豊富な著者がアドバイスする。ソフトバンクグループで培った仕事術の他、家族、キャリアなどについて、100項目で指南する。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授