37歳の常識――人を頼って転職するな知って、できて、当たり前!?

転職は自己責任だ。もし失敗しても人のせいにはできない。

» 2012年05月02日 12時00分 公開
[大木豊成,ITmedia]

連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」について

 37歳は35+2歳なのか、40−3歳なのか?――連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」は、40代以降を充実して生きるための100個のルールをまとめた書籍「あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール」の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。


 転職活動を始めるときにやたらと知り合いに声をかける人がいるが、僕はこの方法は正しくないと思う。

 もちろん絶対働いてみたい職場ならいいが、その会社のことをさほど理解もせずに声を掛けるのは、相手にとって失礼な話であり、自分への信頼を下げるだけにすぎない。もし知り合いが本当にあなたを欲しいと思うなら、あなたが退職すると知った時点ですぐに声を掛けてくれるものだ。

 人を頼って転職したら、紹介者にも責任も生じてくる。責任を取るというよりも、道義的に「紹介したのだから」という責任がついて回るということだ。採用した側にも同じように考える人が多く、何年たっても気にする人がいることを知っておかねばならない。それを鑑(かんが)みると、転職活動は自分の力でやるべきことだと思う。

 転職は全てが自己責任であることを認識するべきだ。人に誘われたからとか、転職後に「話が違う」などと言っても仕方のないことだ。僕も人から誘われて転職をしたことがあるが、それも自己責任だ。後で後悔しても遅い。自分で調べ、自分で納得するまで探し、話をして、それでも転職したいのならすればいい。転職後に文句を言っている人を見かけることがあるが、そういう人はどこに行っても文句を言うのだろう。

 30代後半で転職をするということは、1人だけの影響ではないことが多い。結婚し、子供がいる人はなおさらのことだ。家族に対する責任をもって、それでも転職するべきだということを、感情だけではなく説明できるだろうか。

 僕は、家族がいるから転職してはいけない、とは考えていない。しかし、独り者のころよりも、責任が大きいことに違いはない。思いつきで転職できる年代ではないということだ。

 採用する側も、独り者と妻帯者では見方を変えることが多い。妻帯者を採用することに対する責任もあるし、それだけの覚悟を持っている人間であるか、ということも見る。

 転職前に、今の会社を辞めてしまうこともお薦めしない。僕なら静かに就職活動を行い、転職先を決めてから辞表を出すだろう。頼る人はいないし自己責任であるのだから、ずるいと思われようが計画的に進めるべきだと思う。30代後半の転職とは、それだけ重いものだ、ということを理解しておくことだ。

あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール

あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール

大木豊成著

明日香出版社

1470円(税込み)

40歳を目前にした世代が、悩んだり困ったりしていることに対して、人生経験豊富な著者がアドバイスする。ソフトバンクグループで培った仕事術の他、家族、キャリアなどについて、100項目で指南する。


関連キーワード

転職 | 常識 | 人生 | 仕事術


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆