メールは用件だけで、できるだけ短く。しかしこんな世の中だからこそあえて、逆の発想で思いやりを込めてめて書いてみる。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
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メールは用件だけで、できるだけ短く。ということを多くの人が思っているこんな時代に「メールにもっと情緒を込める」とか「わざとファジーに書くこと」など、かなり逆をいくことを最近出版した本「性格がよくなるメールの書き方」にふんだんに書きました。
きっと、普段からできるだけ効率的に書く事を目指してきた人たちには、「ありえない」ことかもしれません。けれど、こんなことを書いた私を「こいつはアホか」と思う前にちょっとだけ、昨今のメールでのトラブルや誤解について考えてみてほしいのです。
メールで普通にやりとりするようになったのはここ20年くらいのことです。携帯電話の普及もその数年前ですから、われわれのコミュニケーションツールというのはどんどん変化してきています。
最近では、SNSを使ってのメッセージのやりとりで会話をしています。会って話すことよりも明らかに回数が増えているのです。声のトーンで元気なのかそうでないのかが分かります。表情で嬉しいのか怒っているのかが分かります。言葉ではないノンバーバルの世界で、われわれは「察する」という能力を磨いてきました。そして、相手を気遣う「思いやり」が生まれたのです。
もちろん、何が言いたいのか分からないくどくど長い文章はロジカルに書き直さないといけませんが、少し、パーソナルな思いを加えるだけでもずいぶんと違うものなのです。
「性格のよくなるメールの書き方」には8つの基本が書かれていますがそのなかでも、その3――「IEバランス」についてちょっと説明しておきます。これは、事実である「情報」(Information)に、あなたの「感情」(Emotion)を入れ込む方法です。
もちろん、文章によっては、情報だけ伝えればいいものもあります。しかし、コミュニケーションツールとしての「会話」として使われるようになったメールは情報伝達の域を超えてきているのです。そしてたいていの場合、会話に人は個人的な感情を期待していることが多いのです。
ごく簡単な例を挙げてみます。私の知り合いが友人を芝居に誘ったときのこと。上演日を2つ候補として挙げたのですが、こんな返事が来てしまいました。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授