早稲田大学 IT戦略研究所は、マーケティングとビックデータから考える仕組みづくりをテーマに「第41回 インタラクティブミーティング(通算第62回目)」を開催。米国BlueKaiのCEOであるオマール・タワコル氏が登場し、「When Big Data and Marketing Collide 〜ビッグデータとマーケティングの融合革新の時代〜」と題した講演を行った。
BlueKaiは、米国シリコンバレーに本拠地を置くビッグデータ・マーケティング・テクノロジカンパニー。小売り、携帯電話、金融、自動車、情報技術、ホテル業界など、Fortune 100企業を中心に数多くのクライアントを持ち、デジタル広告のスポンサーに、ビッグデータを活用した高度なマーケティングサービスを提供している。
マーケティングの現状は、顧客グループがぼんやりとは見えているが、ひとり一人の顧客のニーズは分からない。そのためすべての顧客に、まったく同じマーケティング戦略を展開せざるを得ない。BlueKaiでは、顧客を1人ひとりの個人として、ワン・オン・ワンで対応し、より多くの売上を実現するためのクラウドサービスを提供している。
タワコル氏は「マーケティング力を向上させるためには、お客さまのことをどれだけ知っているか、お客さまにどんなマーケティング活動をするかが重要になる。お客さまのことをより深く知り、的確なマーケティング活動をおこなうことで、ぼんやりしていたお客さま像を明確にすることができる」と話す。
「広告スポンサーは、今月はテレビの広告や検索エンジン、ソーシャルメディアなどに投資した」と言うが、実際に売上に貢献した媒体は何かを知ることは難しい。貢献した媒体を把握できれば、翌月どの手段を使うと効果的かを判断するための材料にできる。こういった現状が分かっているのに、なぜ実践されていないのだろうか。
タワコル氏は「何が障害なのか? なぜマーケティングメッセージがカスタマイズされていないのか? それは企業が有するデータが細分化されているためだ」と言う。
企業にはたくさんのデータが蓄積されている。例えば、オンラインサイトでは、ユーザーの閲覧履歴やクリックした結果がウェブログとして残る。さらにオフラインの店舗では、データは各店舗で管理されており、その場に行かなければ活用できないことが多い。
「せっかくデータがあっても各部署内にバラバラに"散乱"して、埋もれてしまっているため、データをマーケティングに活用することができない状況になっている。理由は、EコマースやEメール、検索エンジン、ソーシャル、モバイルなど、さまざまなマーケティング会社が別々にやってきて"うちのサービスを利用してほしい"と提案するためだ。これらの会社は競合していることもあるため、データを一元的に集約することが難しい」(タワコル氏)
オンラインマーケティングには、Eメール、Eコマース、検索、ソーシャル、モバイル、動画、ポータル、運用型広告という8種類の実行手段がある。データ活用ソリューションも散乱しており、ソリューションごとにデータを取り込まなければならないのが実情である。
マーケティング能力を高めるために、まずはウェブサイトやモバイル、オフラインなどのデータを一元化し、すべてのデータを見えるようにする。次にノイズの混ざった膨大なデータに埋もれている有効なデータを抽出。さらにデータの利用権限の管理を行うことで、あらゆる顧客接点でマーケティング活動が可能になる。
「マーケティングデータは急激に増えている。しかし一元化されたデータに対する洞察力があれば整理して、分類し、解決することができる。そこでデータを統合する。これにより、必要なデータをリアルタイムに活用することができる」(タワコル氏)
例えば、マーケターが自動車を販売したい場合、顧客のライフサイクルの各シーンに応じてビッグデータを自由自在に活用する。タワコル氏は、「ウェブサイトにアクセスしてきた顧客に対して広告を配信する。しかしウェブサイトにアクセスする95%のお客さまはすぐには自動車を購入しない」と言う。
そこでお客さまごとにカスタマイズされた広告を配信する"リターゲティング"を提供する。タワコル氏は、「これは非常に効果的な広告であり、コンバージョン率が高くなる。現在、こうした仕組みに多くの投資がなされている」と話す。
具体的には、まずブランドを訴求し、次に見込客を発見、具体的な価値の提案を行い、自社サイト上で詳しい情報提供を行う。その後りターゲティングを行って混バー上んを確認、分析し、リピート施策など次の広告、販促活動に生かす。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授