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» 2013年12月18日 08時00分 公開

社員が自律的に成長し続ける組織の創り方:職場にただ慣れさせるだけでなく、イマドキの若手を後押しする方法 (2/2)

[上林周平(シェイク),ITmedia]
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 一方で、部下の成熟度が高まった2段階目、3段階目になってくると、あれこれ細かく具体的な指示を出すというよりも、意味・意義を伝え、困っていることにヒントを与えるような支援的行動を行うことで、部下を成果に導くことが求められる。この指示が減った段階で、支援的行動が無いと、自ら成果に導くことができず、上手く仕事が行えない。これが、前述の「初めは良かったのだが……」という現象が起こる原因だ。

 では、細かな指示ではなくなった時に、どのような支援をしていくべきなのか。

さらなる成長を促すアドバイスとはどのようなものなのか

 先ほどと同様、100部署以上の職場の「アドバイス支援」の実態を見てもらいたい。

  • 1位:失敗/成功経験を伝える 66.0
  • 2位:改善のヒントを与える 64.2
  • 3位:仕事を意味付ける 62.7
  • 4位:やってみせる/まねさせる 60.7
  • 5位:進捗状況を確認する 60.6
  • 6位:ゴールを確認し合う 56.5
  • 7位:スケジュールを確認する 43.0
  • 8位:リスクを考えさせる 41.2

 ※スコアは質問群に対する回答(当てはまる"100 "⇔当てはまらない"0")から算出

 「失敗/成功経験を伝える」「改善のヒントを与える」「仕事を意味付ける」という支援を受けているかどうかという点に関しては、相対的に高いスコアが出ている。

 一方で、「スケジュールを確認する」「リスクを考えさせる」という支援に関しては、低いスコアとなっている。スケジュールやリスクなど、仕事の計画時における支援が少ない傾向が日本の職場において見られる。その結果、簡単な仕事を行う場合は良いが、若手社員本人にとって難しいと感じる仕事をする際に、計画段階での甘さがあっても単独で前に進ませざるをえず、上手くいかずに失敗していることがあるようだ。皆さんもメンバーに対して、計画時の支援をどの程度行っているか振り返ってほしい。

 同調査で、若手社員自身に対して、「出来なかったことが出来るようになったと感じているか」という質問をすると、先ほどの8つの支援の中で「改善のヒントを与える」に高い相関関係が見られる。仕事の途中で適切にヒントを与えることが、本人の能力向上実感に繋がっているのだ。そのためには、日頃からきちんと気にかけ、その上で適切なヒントを与えることが大切であり、日々自分自身が行っているかを振り返ってほしい。

職場にただ慣れさせるだけでなく、イマドキの若手を後押しするために

 大前提として、若手のメンバーに興味を持つことが大切だ。そしてメンバーのレベルに応じて、指示中心で行くのか、支援的なサポートをするのかを決める。その際注意すべきことは、特定の業務が非常にできる人がいたとしても、その人が違う業務で同じレベルにあるとは限らないということだ。例えば、プログラミングスキルが業界でもトップクラスに高いからといって、プロジェクトマネジメントがうまいとは限らず、交渉が得意とも限らない。

 その上で、日常的に相手を気にかけ、より深いコミュニケーションを行う。そういった行動が、メンバーの自発性向上に繋がり、自律的に仕事をするための後押しとなっていくのだ。

 また、それは自分ひとりが行えば良いという訳ではない。職場全体が互いにそのようなかかわり合いができるような状態を作っていく。そうすることで、自分ひとりがしんどいという状況を打破し、若手社員の成長を促せるのだ。そして、そのような職場では、マネジャー自身がオープンで本音を話す傾向が高いことも事実である。皆さんの職場や皆さん自身はどうかを振り返ってほしい。

 今回は、4種類の支援の中の「ハゲマシ支援」「アドバイス支援」を中心に、イマドキの若手社員がより育つために何が必要かという点についてまとめた。次回は、経験を通じて成長するサイクルを回す「自分で成長できる自律型人材を増やす方法」を考えていきたい。

著者プロフィール

上林 周平

株式会社シェイク 取締役

大阪大学人間科学部卒。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。主に業務変革などのコンサルティング業務に携わる。2002年シェイク入社。各種コンサルティング業務と並行し、人材育成事業の立ち上げに従事。その後、商品開発責任者として、新入社員から若手・中堅層、管理職層までの各種育成プログラムを開発。また、2004年からはファシリテーターとして登壇し、新入社員から若手・中堅層、管理職層まで育成に携わった人数は1万人を超える。2011年9月より取締役就任。


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