フリーランス感覚が強い集団に(後編)気鋭の経営者に聞く、組織マネジメントの流儀(2/2 ページ)

» 2014年01月29日 08時00分 公開
[聞き手:中土井僚(オーセンティックワークス)、文:小川晶子,ITmedia]
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部下に変わってほしかったら、自分が一番変わらなければならない

中土井:このインタビューを始めてから毎回思うのは、仕組みの話だけ聞いても、真似できるものではないということです。その人の人生観と一致しているからこそ、仕組みとして成り立っていきます。組織マネジメントの流儀を挙げるとするなら、マネジメントする側が自分らしさを表現できる形でマネジメントできているかということに尽きる感じがしています。

 今回聞いた話も、柳澤さんの人生観と一致していると感じました。他のクリエーターの会社が真似しても、うまくいかないだろうと思います。自分のユニークさを最大限表現できることが人生の面白さだという一貫した哲学があります。クリエーターとして会社経営を行っているから、従来の枠でマネジメントをとらえていないのでしょう。最後に、マネージャーとして活躍している人や、これからマネージャーになる人に、ひとことメッセージをお願いできますか。

柳澤代表(右)と聞き手の中土井氏(左)

柳澤:カヤックは常に変わり続けることを求めている会社だから、うちのリーダーによく言うのは、リーダーが一番変わらないといけないということです。そうすると、下も変わらざるを得なくなりますから。これは一般的なマネジメントの話にも言えることだと思います。まず、自分から部下の話を聞くとか、まず自分から部下のことを本気で信用するとか、自分が相手に示した分が自分に返ってくるんだと思います。

中土井:最後に一つだけどうしても聞きたいことがあります。変わることと面白さは、柳澤さんの中ではどんな関係でとらえているのですか。

柳澤:変わることは、カヤックという会社として存続させるために必要なことです。何も変わらず、同じことだけしていても、面白さは生まれると思います。変わることと面白さはリンクしていません。

中土井:面白さが会社のアイデンティティみたいなもので、変わるというのは、会社としての戦略なんですね。面白い話でした!ありがとうございました。

プロフィール

中土井 僚

オーセンティックワークス株式会社 代表取締役。

社団法人プレゼンシングインスティテュートコミュニティジャパン理事。書籍「U理論」の翻訳者であり、日本での第一人者でもある。「関係性から未来は生まれる」をテーマに、関係性危機を機会として集団内省を促し、組織の進化と事業転換を支援する事業を行っている。アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア株式会社)他2社を通じてビジネスプロセスリエンジニアリング、組織変革、人材開発領域におけるコンサルティング事業に携わり2005年に独立。約10年に渡り3000時間以上のパーソナル・ライフ・コーチ、ワークショップリーダーとしての活動を行うと共に、一部上場企業を中心にU理論をベースにしたエグゼクティブ・コーチング、組織変革実績を持つ。


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