事件発生! そのとき検事は――検事の観察力、推理力、行動力をビジネスに生かすITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(1/2 ページ)

凶悪事件、重大事件が発生した場合、検事は何を見て、何を考え、どう行動するのか。16年間、検事として培った観察力や推理力、行動力などを、ビジネスの世界で生かすには……。

» 2015年02月12日 08時00分 公開
[山下竜大,ITmedia]

 「ITmediaエグゼクティブ勉強会」に、のぞみ総合法律事務所の弁護士で、桐蔭法科大学院教授である熊田彰英氏が登場。『ドラマ「HERO」のリーガルアドバイザーが語る凶悪・重大事件の捜査の裏側――その時、検事はどうするか』をテーマに、2014年3月までの16年間、検事として培った経験やノウハウをビジネスに生かす方法を講演した。

検事の仕事とは

のぞみ総合法律事務所弁護士、桐蔭法科大学院教授 熊田彰英氏

 熊田氏は自身の経歴について、次のように語る。「検事として全国各地の地検に勤務していた。その他、法務省や大使館、最高検察庁で勤務し、最終的には法務省大臣官房秘書課で法務省を統括し法務大臣を補佐した。身内である検事の取り調べも担当したし、芸能人の薬物事件や重大殺傷事件なども数多く担当した」

 世の中で発生する刑事事件の最終的な処分を決めるのが検事である。警察が捜査して立件した事案を、起訴するか、しないかを判断するのが検事の役割だ。そのため検事は、事件発生当初から捜査に関わり、警察と協力しながら、事件を解決に導くこともある。警察との共同捜査で、警察に対する適切な指揮をすることも検事の仕事だ。

 「リーガルアドバイザーを務めていたドラマのHEROでは、久利生検事が自分自身で捜査をする場面が出てくるが、これはめずらしいことではない。検事は机に座って書類を読んだだけで、起訴、不起訴を決めていると思われがちだが、現場に出て捜査をすることはよくあることだ」(熊田氏)

 通常は、検事と事務官が二人三脚で事件を担当する。HEROでは1つの事件に深く関わる姿がクローズアップされていたが、実際には、10件、多いときには20件以上を同時平行で担当する。毎日、複数の被疑者や参考人の取り調べを行うのが現実の姿であり、重大事件、複雑な事件は、数人の検事で捜査を行うこともある。

 「今回はある事件について、発生時からどのように捜査をし、犯人の検挙に至ったのかを紹介する。これは実際に経験した中でも犯人の検挙に苦労した事案である。事件の解決に至るまでの観察力や推理力、行動力などを、ビジネスの世界で生かす方法について紹介したい」(熊田氏)

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