「和をもって貴しとなす」。その真意は、「道理を正しく見出すために、こだわりを捨て、議論を尽くす」ということにあります。道理というイノベーションを見出すために、こだわりという慣行を捨て、本質に立ち返り、徹底して議論し行動する。聖徳太子が制定したといわれている「憲法十七条」の第一条の冒頭にある、日本の原点ともいうべき言葉は、奇しくも日本人のイノベーションの可能性を示唆しています。
イノベーションの基となる言葉を考えてみましょう。漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット。こんな多種多様な記号を持つ言語は極めて稀です。表記の仕方も非常に柔軟です。タテ書きが基本ですが、ビジネス文書はほとんどがヨコ書きです。書籍は右開き、左開き自由自在。言葉のダイバーシティ許容度は世界一といってもいいでしょう。これを生かさない手はありません。日本は、「組織の中からイノベーションを起こす」前提条件を、古から有しているのです。日本の凄みと言ってもいいでしょう。
イノベーションは、役職や役割、年齢や性別、職種や業種、所属企業の売上や社員数などとは関係ありません。イノベーションとは「経済成果をもたらす革新」であり、変化を創りだすことだからです。激変する外的環境の中で変化を創りだすことは、全ての企業、全ての「ビジネスパーソン」に必要なのです。
変化は自ら創りだせる。変化を醸成することがイノベーションに繋がります。日本の組織こそが変化をつくり、イノベーションを起こすことに適しているのです。
この4つを徹底すれば、ジョブズ氏がいなくてもイノベーションは起こせます。イノベーションを実際に起こしている日本企業と、アップルがそれを証明しています。あなたも取り組んでみてください。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブプランナー
1986年リクルート入社、企業の採用支援、組織活性化業務に従事。2001年、HCソリューショングループの立ち上げを実施。以来11年間、リクルートで人と組織の領域のコンサルティングに携わる。2012年より現職。イノベーション支援領域では、イノベーション人材の可視化、人材開発、組織開発、経営指標づくり、組織文化の可視化などに取り組む。
著書:「リクルートの現場力」、「なぜエリート社員がリーダーになると、イノベーションは失敗するのか」(ダイヤモンド社)
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授