連載
» 2016年01月19日 08時00分 公開

日本式イノベーションの起こし方:ジョブズがいなくても、新しい価値は創造できる (2/2)

[井上功,ITmedia]
前のページへ 1|2       

日本企業こそがイノベーション創出のゆりかご

 「和をもって貴しとなす」。その真意は、「道理を正しく見出すために、こだわりを捨て、議論を尽くす」ということにあります。道理というイノベーションを見出すために、こだわりという慣行を捨て、本質に立ち返り、徹底して議論し行動する。聖徳太子が制定したといわれている「憲法十七条」の第一条の冒頭にある、日本の原点ともいうべき言葉は、奇しくも日本人のイノベーションの可能性を示唆しています。

 イノベーションの基となる言葉を考えてみましょう。漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット。こんな多種多様な記号を持つ言語は極めて稀です。表記の仕方も非常に柔軟です。タテ書きが基本ですが、ビジネス文書はほとんどがヨコ書きです。書籍は右開き、左開き自由自在。言葉のダイバーシティ許容度は世界一といってもいいでしょう。これを生かさない手はありません。日本は、「組織の中からイノベーションを起こす」前提条件を、古から有しているのです。日本の凄みと言ってもいいでしょう。

 イノベーションは、役職や役割、年齢や性別、職種や業種、所属企業の売上や社員数などとは関係ありません。イノベーションとは「経済成果をもたらす革新」であり、変化を創りだすことだからです。激変する外的環境の中で変化を創りだすことは、全ての企業、全ての「ビジネスパーソン」に必要なのです。

変化は自ら創りだせる。変化を醸成することがイノベーションに繋がります。日本の組織こそが変化をつくり、イノベーションを起こすことに適しているのです。

  • イノベーターは情念で行動する
  • マネジャーはそれに共感し、盛り上げる
  • 組織はプロセスをつくって資源を確保し、認知と称賛を繰り返す
  • 経営者は慣行の外にでる

 この4つを徹底すれば、ジョブズ氏がいなくてもイノベーションは起こせます。イノベーションを実際に起こしている日本企業と、アップルがそれを証明しています。あなたも取り組んでみてください。

著者プロフィール:井上 功(こう)

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブプランナー

1986年リクルート入社、企業の採用支援、組織活性化業務に従事。2001年、HCソリューショングループの立ち上げを実施。以来11年間、リクルートで人と組織の領域のコンサルティングに携わる。2012年より現職。イノベーション支援領域では、イノベーション人材の可視化、人材開発、組織開発、経営指標づくり、組織文化の可視化などに取り組む。

著書:「リクルートの現場力」、「なぜエリート社員がリーダーになると、イノベーションは失敗するのか」(ダイヤモンド社)


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆