至福の時を過ごす：タイムアウト東京のオススメ

東京の街の“ローカルエキスパート”が、仕事の合間に一息つけるスポットやイベントを紹介します。

[タイムアウト東京，ITmedia]

　8月も終わりに差し掛かった頃、ペリカンファンにうれしいビッグニュースが流れ込んできました。浅草で70年以上多くの人に愛されている老舗ベーカリー、ペリカンが「ペリカンカフェ」をオープンさせるというのです。オープン日の2017年8月28日には、待ってましたと言わんばかりに開店前から50人以上の行列。数週間たった今でも多くの人が足を運んでいます。

ペリカンパンのある空間を楽しんでほしい

　店主を務めるのは、食パンとロールパンしか販売しないという現在のスタイルを確立させたペリカンの2代目店長、渡辺多夫氏の娘である渡辺馨氏。幼い頃から店の手伝いをしていたという渡辺氏は、「日頃からペリカンのパンを食べてくれている人たちにもっとペリカンパンを楽しんでほしい、ペリカンパンのある空間を楽しんでほしい」という思いから、カフェをオープンさせました。

充実したメニュー展開にファンも喜ぶ

　田原町駅方面に約200メートル歩いたところにあるペリカンから毎朝仕入れたパンを使っているのはもちろん、充実したメニュー展開もファンを喜ばせています。メニューは、イタリア料理研究家のパンツェッタ貴久子氏が監修しました。数あるメニューの中でも、パンツェッタ一押しなのが「黄色いチーズトースト」（540円）。「食べたことがない味で衝撃を受けた」と、渡辺氏も太鼓判を押しています。

　チェダーチーズがたっぷり乗った見た目から、濃厚なチーズトーストをイメージして一口食べてみると、見事に期待を裏切られました。裏切られた、と言ってももちろんいい意味でです。「黄色いチーズトースト」とは、実はウェールズ地方発祥のチーズトースト、ウェルシュ・レアビットで、隠し味に粒マスタードが使われているのです。ピリッと効いた粉マスタードがいいアクセントとなり、後を引く味わい。ちょこんと乗ったパセリも相性抜群で、よい働きをしています。冷めてもおいしいとのことですが、間違いなく熱々のうちに食べきってしまうでしょう。

王道の一皿

　シンプルにペリカンパンを堪能したい人には「炭焼きトースト」（320円／ドリンクセットは540円）がお薦め。特注の炭焼台で焼き上げるトーストは、シンプルながらも自宅ではまねできない味と焼き加減です。ペリカンパンを使ったメニューで、家族の中で定番だったものは何かあるか渡辺氏に尋ねてみると「結局ね、シンプルにバターやジャムになっちゃうんですよね」と笑いながら答えてくれました。まさに王道の一皿ですが、トーストを食べ終える頃には誰もがこの言葉に納得するはずです。

　毎日多くの人が足を運ぶペリカンカフェ。現在は、店に行ったらまずスタッフに名前と電話番号を伝え、電話が来るまで外で自由に待つというスタイルで営業をしています。街を散策しながら待てるのはうれしいのですが、最高のコンディションで楽しむためにもほかの店での食べ過ぎには注意しましょう。

　その他の詳しい情報は「浅草の老舗ベーカリー、ペリカンのカフェが誕生。ペリカンパンを使ったメニューは12種類」で紹介しています。豊富なメニューでペリカンパンのさまざまな表情を見ることができるので、ファンは絶対に足を運んでみてください。

著者プロフィール：タイムアウト東京 編集部

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