リモート環境下の指導者による「仕事の丸投げ」と新人による「丸投げの相談」の両側面からみた業務効率と新入社員の成長角度について伝える。
昨今は、環境変化によるリモートでの仕事が増える中、新人の育成もより難しくなりつつあります。今回は、リモート環境下の指導者による「仕事の丸投げ」と新人による「丸投げの相談」の両側面からみた業務効率と新入社員の成長角度について伝えていきます。
昨今は、環境変化によるリモートでの仕事が増える中、部下育成もより難しくなりつつあります。私たちは、新人に丁寧に仕事を教えるべきタイミングがあると思います。しかし、現在のリモート環境では、企業の業績下降を挽回すべく指導者もさらに忙しくなっています。また、忙しい状況の中での慣れないオンラインでの育成は決してよい指導環境とはいえません。
指導者は、そのような状況の中オンラインでの部下指導が雑になったり、手元にある仕事を、メール一本で「資料取りあえずまとめてもらえるかな?」などと、仕事の丸投げをしやすくなる環境下にいます。
例えば、とある新人育成担当者が、上司からオンライン会議上で、プレゼン資料の作成を依頼されました。比較的簡単な仕事ではありましたが、多くの時間がとられてしまう作業だったため、育成担当者は、次のような葛藤と向き合うことになります。
「この時間がかかる作業を、在宅環境の新人にまるっと振ってしまいたい。でも、本当はちゃんと教えないと、新人が育たないことくらいは分かっている。だけど、いちいち説明している暇は正直ない。取りあえず、仕事を振って、分からないことを都度教えていけばいいや」と。
私たちは、このような誘惑に負けて、中途半端な説明のみで、新人に仕事を依頼してしまうのです。結果はどうなったでしょうか? 出てきた資料は、指導者がイメージしていたプレゼン資料とは懸け離れた内容だったのです。うまくニュアンスが伝わっていなかったのです。
リモート環境が続く中、日頃から頻繁に新人と会っていないので、上司側も小まめな報告、連絡、相談がなくても、遅いと感じるタイミングが、通常より遅れる傾向にあリます。つまり、新人を放置しやすくなります。
新人が自分の席の隣に座っていたら、「ちょっと確認しよう」「ちょっと伝えておこう」ということができるのですが、在宅環境ですと、ずるずるとコミュニケーションの頻度が落ちていってしまうのです。
部下側も、そもそも上司や先輩と直接会う機会が少ないためか、関係構築も浅いため、報告もしづらいと感じ、結果的に提出日当日のタイミングで結果を報告してしまうという惨事になります。
このように、リモート環境下では、相手と密に接していない分、仕事の丸投げのしやすさが加速され、かつ、部下の仕事を放置しやすくなってしまいます。この仕事の丸投げや放置は、一見仕事が早く終わるように感じますが、やり直しロスが発生し、結果的により多くの時間がかかってしまうのです。
やり直しロスが発生するくらいなら、オンラインでの仕事の説明に時間をかけたほうが、結果的に効率も成長スピードも上がります。
ぜひ、仕事を任せるときは、丸投げせすにゴールまでの道すじが見えるまで、オンライン会議上で伴走してみましょう。そして、意識的に報告、連絡、相談をオンラインでもさせていきましょう。
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明治学院大学 経済学部准教授