ジョギングであれば、「最初の10秒はどんなことをするのか?」を考えてみるのです。「ジョギングウェアに着替える」「ジョギングシューズを履く」「ジョギングシューズを履いて家の外に出てみる」といったことです。これらの10秒アクションであれば、雨が降っていようが眠かろうが、未完了事項を抱えていようが、どんな状況にあっても10秒もあれば必ず実行できます。10秒アクションは、行動に着手する際の心理的ハードルも物理的ハードルも両方とも下げてくれます。「疲れているけど……10秒ならいいか、靴を履くくらいならいいか」となるのです。
行動に着手するには、10秒アクションが効果的なことは理解していただけたでしょうか。そうだとしても、「たった10秒」ではたいしたことができないとバカにしている人もいるかもしれません。10秒は、あなたが思っているよりもたくさんのことができる時間です。
また忘れてはならないのは、この10秒アクションは、あなたが決めた仮行動に着手するための着火剤の働きをしてくれるということです。10秒試してみてスムーズにいくのであれば、10秒といわずそのまま続けてください。
10秒アクションがきっかけとなってその後、勉強、読書、ジョギング、筋トレ、散歩、片づ付け、仕事などが15分続いた、30分続いたというのは、よくあることですし、それを狙っています。
もし、10秒アクションがうまく機能しなかったら、たった10秒ですから、すぐに別の方法を試すことができます。せっかく仮決めしたのであれば、その仮決めを仮行動につなげていくために、ぜひ「10秒アクション」から始めてみてください。
「10秒アクションのおかげで、行動に着手できるようになってきましたが、いつも同じ“PCを開き、書きかけのファイルを開く”という10秒アクションをしていたら、マンネリ化してしまい、あまりやる気になれません。他の10秒アクションを考えるべきでしょうか?」私が主催しているオンラインサロンで、こんな相談を受けたことがあります。
10秒アクションは、夢や目標を実現するための行動に着手するトリガー(引き金)にすぎないので、続けたいことが実際に続いているのであれば、ワンパターンでも問題ないです。
今の10秒アクションで「行動に着手できているか?」、行動に着手できている場合「行動の質が上がっているか?」を確認してみてください。そうすることで、さらに深めていくことができます。
10秒アクションによる行動の着手が、だんだん軌道にのってくると、マンネリ化が起こってくる場合もあります。そういうときは、10秒アクションをレベルアップさせることで、スムーズに行動に着手できるようになります。具体的には、「時間を長めに設定する」「難易度をちょっと上げる」といったことです。
例えば、「PCのファイルを開く」という10秒アクションがマンネリ化してうまく機能しなかった場合は、ちょっと難易度を上げて「取りあえず1文書く」という別の10秒アクションを試してみます。うまくいけば、そのまま続ければいいし、うまくいかないときは、さらに別の10秒アクションを試してみればいいのです。
「目標を立てたら、10秒アクションからでいいので実際に動いてみる」、これが、ものすごく大事です。どんなに素晴らしい目標を立てたとしても、実際に動いてみないと、絵に描いた餅でおわってしまいます。
実際に動いてみることで、「本当はもっとこうしたい」「あれ、なんか違うかも」「ここはしっくりくる」「こうしたら、もっとよくなる」といった要素がでてきます。ぜひ、そこまで経験してみてください。今日たった10秒でもいいので着手してください。その積み重ねが未来を創っていきます。
目標実現を専門とするメンタルコーチ。アンカリング・イノベーション代表取締役。
脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発し、これまで1万人以上のリーダーのセルフマネジメントや人材育成に関する悩みを解決。また、オリンピック出場アスリート、トップモデル、ベストセラー作家、経営者など各界で活躍する人々の目標実現・行動革新サポートを行う。
近著に『先が見えなくても、やる気が出なくても「すぐ動ける人」の週1ノート術』(PHP研究所)がある。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授