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» 2021年06月30日 07時08分 公開

最悪なのは「頑張った者がばかを見る」職場リモートワーク時代の理想的な職場の仲間との関係性(2/2 ページ)

[相原孝夫,ITmedia]
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 新しいアプリを製作するという課題で良いアイデアが出ずに悶々としている時、ビリーは全員を誘って夜の街にくり出す。飲みに行って打ち解けるというのは万国共通であることが確認できるが、かなりハチャメチャをやったり、他の客たちとけんかをしたりする中で、皆は打ち解け、互いに心を開き、それぞれ自分の弱みもさらけ出す。それによって強い絆が生まれ、このチームで素晴らしいことをやり遂げたいと、皆が本心から思うようになる。

 まさしく、グーグルが大切にする「心理的安全性」が確保された状態が出来上がったことになる。その後、見違えたように課題を次々にクリアしていく。この段階では、自分がグーグルの社員になるために課題に取り組むという意識はなく、この仲間たちと一緒に素晴らしいことを成し遂げたいという一心で頑張っている。自我が消失している状態であり、チームとして「フロー」の状態に入っているともいえる。結局、優秀なメンバーばかりでつくった強豪チームを大逆転で破り、見事にトップに輝いたのだった。

チームとして働く醍醐味は、働く喜びそのもの

 このチームは最終的に、「一緒に働く仲間のために頑張る」チームとなることができたのだ。そのような中で、各メンバーは実力以上の力を発揮した。チームとしてのシナジーが生まれ、最大の成果を得ることができた。チームとして働く醍醐味は、働くことの喜びそのものだ。働くという行為は1人で完結することはない。必ず他者との関係性の中で働き、その関係性次第で感情が大きく左右される。ポジティブな感情を抱き、幸福感を得ることができることもあれば、ネガティブな感情を抱き、心身共に健康を害することもある。

 他者との関係性の中で最も重要なのはもちろん、日々一緒に働いている職場の仲間との関係性だ。その仲間のために頑張るというメンタリティで働くことができれば、それは自分にも、他者にも、職場にも、好影響を及ぼすことができる。そして、仕事の面でも、一人一人の心身の健康の面でも、望ましい状態をつくり、また維持することにつながるのである。

 昨今、コロナ禍の中で、リモートワークが増え、仲間との関係性は希薄化し、一体感が削がれがちな状況にある。それに伴って、心身の健康にも悪影響が及びつつある。そのような中で、仲間との関係性こそが、健全な状態で仕事を続けるうえでのよすがともいえるのだ。このような状況だからこそ、一人一人が一緒に働く仲間の感情を思いやり、仲間のために何ができるかを考えつつ働くことがとりわけ重要なのである。

著者プロフィール:相原孝夫(あいはら たかお)

人事・組織コンサルタント、作家、HRアドバンテージ 代表取締役社長

マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング(現マーサージャパン) 代表取締役副社長を経て、2006年4月に当社設立し代表に就任。

慶應義塾大学商学部卒業、早稲田大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。

1965年生まれ、栃木県宇都宮市出身。1994年にマーサー社に入社以降、コンピテンシーに基づく人材の評価、選抜、育成および組織開発に関わるプロジェクト、グローバル人材マネジメント、M&A後の人事・組織の融合等のコンサルティングに従事。

HRアドバンテージでは、人材・組織・仕事の可視化を軸にした、人材力・組織力の向上支援に力を注ぐ。旧労働省大臣官房政策調査部研究会委員、総務省研究会委員、日本人材マネジメント協会(JSHRM)幹事等を歴任。

著書に、『バブル入社組の憂鬱』『ハイパフォーマー 彼らの法則』『会社人生は「評判」で決まる』『コンピテンシー活用の実際』(以上、日本経済新聞出版社)、『仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか 』(幻冬舎)、『図解戦略人材マネジメント』(東洋経済新報社)ほか多数。

日経ビジネススクール、経営アカデミー(日本生産性本部)、早稲田大学ビジネススクール他での講義、講演、セミナーのほか、新聞、専門誌への寄稿、コメント多数。

主な著書に『会社人生は「評判」で決まる』(日本経済新聞出版社)、『ハイパフォーマー 彼らの法則』(日本経済新聞出版社)『仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか』(幻冬舎新書)など多数。


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