「3つのプロ+AI Savvy」で信頼を得るビジネスアーキテクト - Okta 小泉氏セキュリティ・パートナーの流儀(2/2 ページ)

» 2026年03月02日 08時00分 公開
[星原康一ITmedia]
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日本と米国を繋ぐ「3年越しの交渉」

 小泉氏のもう一つの顔は、粘り強い「事業開発者」としての側面だ。

 Okta入社直後、彼はある通信事業者から持ちかけられた「MSP(Managed Service Provider)モデル」でのビジネス化にチャレンジする。これは顧客と1社1テナントの関係でサービスを提供してきた当時のOktaのグローバル方針とは異なる、日本市場特有のニーズだった。

小泉知之 Photo by 山田井ユウキ

 グローバル企業においてローカルな要望を通すハードルは高い。しかし小泉氏は3年がかりで本社への働きかけを続けた。日本の商習慣や顧客の熱意を粘り強く説き続け、本社の開発投資を引き出し、ついにはMSP専用サービス「Okta Aerial」のリリースへと漕ぎ着けたのだ。

 これは単なる交渉ではなく、顧客とOkta双方のビジネスを拡大させるための、戦略的な橋渡しだった。

「3つのプロ」と、AI時代に加わった新たな条件

 変化の激しい時代、営業には「高い品質のアウトプットを素早く出す」ことが求められる。小泉氏はこれまで、信頼されるパートナーの条件として「3つのプロ」を掲げてきた。

  1. アカウントのプロ: 担当する顧客の業務フローや組織課題への解像度を高める。
  2. カテゴリーのプロ: 業界の商習慣やトレンドを深く理解する。
  3. アイデンティティのプロ: アイデンティティ管理の専門家として、最適な認証基盤を設計する。

 これらは顧客を支援するための基礎となる資質だ。しかし、AIエージェントの台頭など市場環境が激変する中で、ここにもう一つの必須条件が加わった。それがAIを現場で使いこなす「AI Savvy」としての資質だ。

小泉知之 Photo by 山田井ユウキ

 アイデンティティ管理の対象は今や「人」だけでなく、「AIエージェント」にも広がりつつある。

 「AIエージェントの本質を引き出すには、顧客データやセンサーデータなど、様々なアセットにAIエージェントを繋ぐ必要があります。人間では気付けないインサイトを得られる一方で、そこには新たなセキュリティリスクも生まれます。そのリスクをどう制御するか。ここを解決できるのが私たちです」

 未知の課題に対しては、自らAIを使い倒してボトルネックを特定しなければならない。解決策が出てくるのを待つのではなく、自ら解を導き出す。この「AI Savvy」としての能動性が新たな武器となる資質。

 ミッションクリティカルな現場で培った「3つのプロ」としての資質と、AI時代を切り拓く「AI Savvy」としての資質。その両輪を回し、小泉氏はお客様のビジネスを支え続けていく。

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