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» 2012年09月27日 08時00分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:今嫌われても、将来感謝される上司になれ (1/2)

悩める部下指導。強く言えばへこんでしまう。かといって、聞いてやるばかりではなかなか成長しない。そんな部下のことを考えがちであるが、答えは自分の教え方にある。

[古川裕倫,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


 「部下に嫌われたくない。だから、指示を出しづらい……」

 「部下と仲良くやりたい。だから、注意しづらい……」

 最近、このような悩みを持つ上司が、意外とたくさんいるようです。

120927book.jpg コーチング以前の上司の常識 「教え方」の教科書

 わたしは、部下指導に悩む上司に伝えたいことがあります。それは「今嫌われても、将来感謝される人になれ」ということです。これはわたしが30年以上、上司や部下と接して、何度も悩んだり失敗した結果、たどり着いた一つの結論です。

 わたし自身もまだ若かった頃、上司に毎日のように注意され、叱られていました。当時は「なんてひどい上司なんだ…」と何度も思ったことがありました。しかし、今振り返って言えることは「その上司にとても感謝している」ということです。

 これは、わたしの周りの優秀な若手に聞いてみても、みんな同じことを言います。「自分が新人の頃の上司は厳しく、イヤな上司だった。本当に辛かった。でも、こうして数年経った今、上司にはとても感謝している」とみんな口を揃えて言うのです。

 誰しも人に嫌われたくありません。まして、毎日顔を合わせる部下には一番嫌われたくないものです。嫌われない方が、その瞬間は仕事がスムーズにいくかもしれない。その瞬間はお互い気持ちが良いかもしれない。しかし、将来を見据えたとき、本当にそれは部下のためになることでしょうか?それで部下は成長するでしょうか?

 上司になったからには、「部下に嫌われたくない」と逃げてはいけません。部下と向き合い、指示したり、注意したり、ときには叱ったりすることで今嫌われてもしっかり「教える」ことをしてください。でも、5年後、10年後、将来部下が成長したとき、必ず感謝してくれると思います。

 「今嫌われても、将来感謝される人になれ」これは、部下指導に悩むすべての上司の方に送るわたしからのメッセージです。上司には、この言葉を忘れずに部下指導にあたってほしいと強く願います。

コーチングよりも「ティーチング」

 部下を教えるとき、どう教えればいいのか迷うものです。ある人は部下をタイプ別に分けて教えるのがいいと言い、ある人は部下の意見を聞きながら進めるのがいいと言い、ある人はとにかく褒めるのがいいと言います…。一体どれがいいのか、本を読めば読むほど、人に聞けば聞くほど分からなくなります。

 記憶に残っている人も多くいるかと思いますが、4〜6年前に「コーチング」の大ブームがありました。「まずは部下の意見を聞くことから」「一方的な教え方はいけない」このような指導法が脚光を浴びました。しかし、仕事のことを何も知らない部下に向かって、「君はどう思う?」「意見を聞かせて」と言ったところで、部下は何と言うでしょうか。おそらく、「分かりません」で終わってしまうのがオチではないでしょうか。

 もともとコーチングとは、プロのスポーツ選手教育からきています。相手がプロだからコーチングが有効であり、それが成り立つのです。しかし、知識や経験が乏しい部下に同じように「自分で考えなさい」「自分で気付きなさい」と言ってもうまくいかないのは当然のことです。相手はプロではないのです。

 まずは自信を持って、とことん「教える」こと、これが一番大切です。何も分からない部下だからこそ手取り足取り教える。こちらから説明をして、指示を出し、仕事の基本をイチから教える。多少一方通行であってもこの部分が必要です。「教える」ことで部下は必ず成長します。これが、どんな手法よりも一番シンプルで着実に部下が成長する方法なのです。部下が成長しないと悩んでいる上司の方は、ぜひこの「教える」大切さに気付いてください。

では、どのように教えればいいのか?

 ときに、「これやっといて」「早めに終わらせて」「何かあったら教えて」などと指示する上司がいます。しかしこれは「教える」ではありません。「これやっといて」と言ったところで、「何を、どのような手順で、どのくらいの時間をかけて、どこまでやればいいのか」が全くわかりません。これでは、期待はずれの資料が部下から提出されても無理はありません。あなたが「教え方」をしっかり知る必要があります。

例えば……

  • 「仕事の流れ」を説明する
  • 「完成形」を見せる
  • 「ステップ」に分けて指示を出す
  • 「時間の目安」を伝える
  • 「報告のしかた」を教える …など

 「そこからですか!?」と思うようなことでも、イチから教えてはじめて部下は動けるようになるのです。まずは「部下のやる気」うんぬんを問う前に「上司のやり方」を見直してみてはいかがでしょう。

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