日本オラクルは、2007年10月23日より、データベース管理ソフトの最新版「Oracle Database 11g」の国内出荷を開始する。ここでは、注目されるOracle Database 11gについて解説する。
日本オラクルは、同社の主力製品であるデータベース管理ソフトの最新版「Oracle Database 11g」をリリースした。前バージョン(Oracle Database 10g)から4年ぶりのメジャーバージョンアップとなった。
今年、データベース管理ソフトの開発・販売を開始して30周年を迎えた米オラクルは、Oracle Database 11gをデータベース30年の集大成的な製品と位置づける。開発に延べ36000人月、テストに1500万時間をかけたことに、その意気込みがうかがえる。
最新版では、従来からの機能を継承しつつ、顧客からの要望に応える形で400を超える機能が追加された。ただ、重要な新機能のいくつかはオプションであり、その新機能を利用するには本体ライセンスとは別にライセンスが必要となる。
オプションとして追加された新機能には「Oracle Real Application Testing」「Oracle Advanced Compression」「Oracle Active Data Guard」「Oracle Total Recall」の4つである。
システム変更時のワークロードを収集し、テスト・システムで再現してテスト作業負担を軽減する機能。
圧縮率を大幅に改善しストレージリソースの活用効率を高める機能。
待機中のスタンバイ・データベース・サーバーを使ってレポーティングやバックアップに活用する機能。
過去のいずれかの時点におけるデータ検索やデータ変更追跡を行うことができ、過去の状態を復元できる機能。
いずれも利用する顧客にとって魅力的な機能であり、これらが標準で提供されないのが残念だ。顧客はオプション・ライセンスを加算した金額で検討すべきなのかもしれない。
オラクルは、Oracle Database 11gのリリースを「Real Customer Release」と呼び顧客視点を強調した。その視点は、肥大化したシステムの運用管理コストの解決に向けられている。ITシステムが複雑化したことにより、運用管理も複雑化し、顧客のIT予算は8割が既存システムの維持と改修に費やされている状況にある。そこでオラクルはデータベースの新機能によって、そうした運用管理コストの削減を狙ったのである。
Oracle Database 11gは基本的に、前バージョンの10gと同様、グリッド・コンピューティングのメリットにより顧客が抱える運用管理の課題を解決するアプローチをとっている。顧客から見たグリッドの利点とは、グリッドが顧客に見えないところで、ビジネスの優先順位に基づいてリソースを動的に割り当て、顧客やアプリケーションが要求するデータを適切に提供でき、必要される処理能力をいつでも供給することを意味する。
このようなコンピューティング・リソースの共有やプール化に不可欠となるのが、分散したリソースの管理とパフォーマンスの最適化だ。それを効率的に実現するOracle Database 11gのグリッド・コントロール機能が、肥大化した運用管理コストの削減に効いてくるのである。
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