顧客からの問い合わせ対応はどんな業種でも、迅速、正確に行われなければならない。しかし迅速さを求めるあまり、対応が二重になるケースが意外に多いようだ。こうした業務上の問題に取り組んだ企業を紹介する。
導入前の課題
顧客オフィスに常駐しているエンジニアとのメール連絡のやり取りに、二重対応が発生していた。
導入後の効果
新しく管理部門にメールシステムを導入。どの事務担当者がどのような形で顧客先に常駐しているエンジニアと連絡をしていても、対応の漏れがなくなった。
クロス・ヘッドは主としてネットワークソリューション事業を柱として、年々順調な成長を進めている。「ネットワークの最適化」を実現することで、顧客の成長をサポートするというのが同社の大きな事業目標だが、厳しい経済環境が続いたここ10年でも、右肩上がりに業績を伸ばしてきた。同社が擁するコンサルタント、エンジニア、プログラマー、インストラクターは各方面から高い評価を得ており、常に最新技術に基づいたソリューションを提供している。
その理由として管理部、情報システム室室長の土田幸子氏は次のように語る。
「最初はネットワーク構築の一部をお手伝いさせていただいていたお客様が、当社の実力を認めてくださり、他の会社に任せていた部分も当社に担当させていただくようになった、というパターンが多いですね。当社はネットワーク構築から、大規模になって複雑化したネットワーク環境の運用、管理もサポートしていますので、その点が評価されているのだと思います」
同社では、営業担当者が顧客のニーズを聞き取り、把握し、エンジニアと共同で顧客との折衝に当たる。エンジニアはプロジェクトの規模に合わせてチームを編成し、構築作業、運用管理業務に携わる。
クロス・ヘッドでは、こうした顧客先での常駐エンジニアのチームが幾つもあり、彼らとの社内連絡は頻繁に行われている。管理部門とエンジニアとの連絡や、さまざまな社内行事、福利厚生関連、書類等の提出関連などのやりとりはメールで行われるが、一方的に管理部門がメールを流すだけで済まないことも多いようだ。
「こちらから流した通知や連絡について、個別に問い合わせがくることもかなりあります。こうした問い合わせなどについての対応が間違ったものであったり、二重対応などがあると、期限までにアクションを起こせないケースも出てきますので、どうしても避けなければなりません」と語るのは、管理本部、管理部の阿久津仁美氏だ。
現在、同社管理本部では、7名の事務担当者でこうした対応をこなしている。そこで起こりがちなのが二重対応だ。管理本部からの連絡メールに対して、あるエンジニアが問い合わせをしてきたとする。このメールに対して、事務担当者が回答のメールをしても、そのやり取りが他の事務担当者に見えないと、別の事務担当者が改めて対応してしまったり、対応をしたかどうかの確認作業を常時行わなければならず、時間と手間がかかってしまう。
「一日に何通もこうした問い合わせへの対応をしていると、少し間違えただけで混乱するし、それを解決するにも時間がかかります。連絡のやりとりを管理部門が全員閲覧できるだけでなく、1つ1つの用件に対して、いまどういうステータスなのかがひと目で分かるような仕組みが必要でした」(阿久津氏)
「一般的なメールソフトでは、複数の担当者で共有することはかなり難しいですし、できたとしても、正確な対応をするには時間がかかります。そこで、新しいメールシステムの導入を検討することにしました」(土田氏)
同社では2006年に数種類のメールシステムを検討し、サイボウズの「メールワイズ」を導入することにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授