日本の消費社会を支える次世代のニューフェイスが「ポスト団塊ジュニア」だ。学生時代からインターネットに触れ、ポケベルや携帯電話を使って仲間とのコミュニケーションを図っていたのがこの世代である。彼らを知ることが勝ち組企業への近道になる?
企業が狙うターゲット層にもその時の旬がある。
近年は大量退職した団塊世代をターゲットとする「アクティブシニア層」や、その子どもたちである「団塊ジュニア層」、昨年までの金融・不動産市況の好景気に支えられた「新興富裕層」など、量か質かということはさておき、収益性の高い層を狙うのは利益追求のためには当然のこととなっている。
しかし、昨年からの景気のピークアウトに伴う新興富裕層の消費意欲の減退と、団塊ジュニア世代の持ち家などへの消費が一巡した(団塊ジュニア世代は2009年には30代後半に差しかかる)。そこで、消費の次世代ターゲットのけん引役として期待されているのが「ポスト団塊ジュニア」と言われる世代である(※ポスト団塊ジュニアを本文内では1975年〜1981年生まれの現在27歳〜33歳と定義した)。
ポスト団塊ジュニア世代は、中学生時代にバブルが崩壊し、高校〜大学生時代にインターネットが広がり始めたほか、ポケベル・PHS・携帯電話の普及によるコミュニケーションツールの変化が起きたという時代背景がある。
このような学生時代を過ごした彼らは、ほかの世代と比較してどのような特徴があるのか? わたしの会社で運営している「ブランドデータバンク」という3万人の消費者データから探っていきたい。
まず百貨店の利用率の低下が顕著に現れている。伊勢丹はどうにか他世代と同等の数値を記録しているものの(0.97倍)、高島屋(0.76倍)や三越(0.72倍)など老舗の百貨店は苦戦している。
逆に丸井(2.01倍)、ルミネ(1.66倍)、パルコ(1.52倍)等のファッションビル、御殿場のプレミアムアウトレット(1.33倍)、りんくうプレミアムアウトレット(1.46倍)などのアウトレットモールも人気を博している。
また「遊べる本屋」と言われ店内の陳列に特徴があるヴィレッジヴァンガード(1.77倍)や、商品を壁や天井まで高く積み上げる圧縮方式を採用するドン・キホーテ(1.40倍)も好意的に受け止められている。デザイン家電を展開するアマダナ(2.19倍)、±0(2.16倍)も人気で、自分らしさを演出できる特徴ある業態に嗜好性が強いと言えるだろう。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授