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» 2008年07月11日 09時17分 公開

7月末発表の米国GDPに注目――シリアスドラマ高視聴率と景況感景気探検(2/2 ページ)

[景気探検家・宅森昭吉,ITmedia]
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4〜6月期の米国実質GDPは注目材料

 7月31日に発表される4〜6月期の米国実質GDPは注目材料だ。半年ほど前は1〜3月期と並んで2四半期連続のマイナス成長となりリセッションに入ることを予測する向きが多かったが、結果は全く違った。1〜3月期は前期比年率1・0%のプラス成長。4〜6月期も相当しっかりした成長率になろう。

 米国の実質GDPで個人消費が7割以上を占めるが、実質個人消費には月次データがある。4月分は前月比0・2%増、5月分は同0・4%の増加であった。減税により5月分の家計貯蓄率は13年ぶりの高水準である5・0%へと急上昇している。人々はとりあえず慎重に行動し貯蓄を増やしたが、6月分が5月分と同じ0・4%増程度の前月比でも4〜6月期の実質個人消費は前期比年率2・7%程度と3%近い増加となり、実質GDPに対する寄与度は1・9%程度になる。7〜9月期も、ゲタを考慮すると個人消費はしっかりした前期比が期待される。

 米国の経済成長率が思ったより良いと市場が判断して米国株価が上昇することをきっかけに、高騰している原油価格が落ち着きを取り戻す可能性もあろう。

 日銀の「生活意識に関するアンケート調査」(6月調査)では1年前に比べて今の景気は「悪くなった」とみる回答者が69・0%になった。理由(複数回答)として「自分や家族の収入の状況」を挙げる人は46・0%と一番多いが、3回前の昨年9月調査に比べると意外にも11・8%ポイント低下している。

 一方、「マスコミ報道を通じて」が35・0%と第2位の「勤め先や自分の店の経営状況から」の35・1%とほぼ並んだが、3回前比変化幅は「マスコミ報道」が15・5%ポイントの上昇で「経営状況」は2・0%ポイントの低下である。景気に関する暗い報道が多いことが消費者のマインドを大きく悪化させているようだ。過度な悲観論が修正されることも、景気が後退でなく踊り場にとどまるためには必要だ。

阪神の快進撃で近畿圏の景気は?

 7月スタートの連続ドラマの初回視聴率(関東地区・ビデオリサーチ)は6日スタート分までで、『コードブルー』が21・2%で1位、『Tomorrow』が16・8%で2位と、シリアスな医療系社会派ドラマが視聴者の支持を集めたことは、景気がシビアな局面にあることを示していそうだ。

 今年のプロ野球セ・リーグのペナントレースは、景気に影響を及ぼす可能性がある人気球団の巨人と阪神では明暗が分かれている。昨年リーグ優勝だけは果たした巨人だが今年の優勝は厳しそうだ。巨人が開幕10試合時に3勝以下の年は過去8回あるがその年の最終順位は2位以下で一度も優勝していない。7月上旬段階で、首位から2ケタのゲーム差で3位という状況である。巨人戦のテレビ視聴率も6月は9・0%と低水準になってしまった。一方、阪神は絶好調だ。セリーグで開幕から60試合以内に40勝のチームは過去10回あるが全て優勝している。今年、阪神は59試合目で40勝したので、リーグ優勝の可能性は高い。7月6日には今季24回目の逆転で、74試合目での50勝に到達した。阪神の快進撃が続く中、5月分「景気ウォッチャー調査」現状判断DIでは近畿地方は東海地方を抜いて沖縄以外では第1位になった。

 阪神の快進撃などが今夏の身近なデータ面からの景気下支え要因となるかどうか要注目だ。

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