コネリー氏とワシリエフ氏が実際に顔を合わせるのは5週間か6週間に一度程度だが、それでも両氏は緊密な協力関係を築いているという。コネリー氏はワシリエフ氏がエンビジョンのCOO(最高執行責任者)だったときにも、同氏と緊密に連携していた。コネリー氏は現在、ワシリエフ氏に直接リポートしているが、これとは別に両信用組合のCEOにもリポートしている。両氏はブリティッシュコロンビア州の同じブロックに住んでおり、カルガリーではコンドミニアムを共有している。両氏ともワインの収集が趣味で、また年に1回はブリティッシュコロンビア州のフレーザー川にチョウザメ釣りに一緒に出掛けている。
「われわれはプライベートでも友人だ」とコネリー氏。
両氏が共用サービスのプロジェクトを介してカナダの信用組合業界に提供したいと考えているのは、まさにそうした緊密なコラボレーションだ。
このプロジェクトは2008年に次のフェーズに進み、ほかの信用組合にもインフラとバックオフィスサポートを展開することになっている。
米国には既に、Credit Union Service Organization(CUSO)と呼ばれるそうした組織が存在している。
「われわれは彼らのビジネスモデルを理解したくて、しばらく米国に滞在した。カナダにはCUSOのような組織は存在していない。われわれは収益が2億〜10億ドル程度の信用組合をターゲットに据えている。組合の規模がさらに大きくなれば、サービスビューローモデルではうまくいかないと感じるようになるだろう。なぜなら、これは最小公分母的な方法だからだ。収益が10億ドル以上の組合であれば、大概、ITは独自に管理したいと思うだろう。われわれのモデルは、より多くのカスタマイズを必要とする顧客にも受け入れられるだろう。そのためには、バンキングシステムのより深い理解が必要だ」とワシリエフ氏は語っている。
だが、好況に沸くカナダ西部において、次のフェーズに向けた準備作業は予想よりも難航している。欠員の補充には、アルバータ州で6カ月間、ブリティッシュコロンビア州でも4カ月間かかっている。また、カルガリーに新しいデータセンターを開設する作業に関しても、予定より多くの時間がかかっているという。「思っていたより40万ドル多くのコストがかかっており、予定も6カ月遅れている。どうしようもないことだ。経済は活況を呈している」とコネリー氏。
もっとも、たとえ新しいデータセンターが完成しても、コネリー氏はスタッフのデスクはこれまでどおり近くに寄せて配置したい考えという。
「これまでよりもスペースにはいくらか余裕ができるだろう。だが、われわれは密な交流を必要としている。職場に人が溢れていると、賑やかでエネルギーや興奮に満ちた空間が生まれる。顔をつき合わせていろいろ話をすることが大切だ」と同氏は語っている。
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