企業にとってITは業務の効率化のみならず、製品の品質やコスト、さらにイノベーションの改善を図る上でも欠かせない存在となっている。その中で今後、日本企業、グローバル企業とも採用を優先したいと考えているものとは何か?
ITの飛躍的な発展が社会に大きな変革をもたらしていることは、改めて説明するまでもあるまい。ネットワークの発展に伴い企業活動もかつてないほどのグローバル化が進み、この大きなうねりを乗り越えるため企業はITの活用方法を模索し続けている。
アイティメディアは9月30日、経営者層に向けたセミナー「第6回 ITmedia エグゼクティブセミナー」を開催。基調講演に登壇したガートナー ジャパン代表取締役社長の日高信彦氏は、冒頭で情報革命のインパクトについて次のように強調した。
「ITを活用することで業務をよりリアルタイムに把握したり効率化したりできる余地はまだまだ残されている。その点でいえば、情報革命はまだ緒についたばかりだ。もちろんITの利用にはリスクも伴う。だが、競争がこれほどグローバルに繰り広げられるようになったことで、ITの活用は生き残りを図るために不可欠となっているのだ」
ITが企業の命運を左右するほどの存在にまでなっていることは、ユーザー企業の意識にも顕著に表れている。同社が毎年CIO(最高情報責任者)に対して実施している調査によると、ITを利用する目的に「市場を上回る速度での成長を達成すること」を挙げた企業は2004年にはわずか15%だったものの、その割合は年々増加し2007年には63%にも達するほどだ(図1)。このことから、もはや企業にとってITは、単なる「効率化」だけでなく、品質、コスト、イノベーション面での改善を進める上で欠かせない存在となりつつあることを読み取ることができよう。
このように、企業が競争力を強化するためにITの戦略的な価値がますます高まる一方、ITの予算額も増加している。グローバルの企業に対して実施した調査でも、IT予算の加重平均での増加率は2004年から2008年まで小幅ながら一貫して増え続け、2008年の増加率は2004年の2.5倍以上の3.3%にも上るほどだ。
「サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題などにより景気後退がささやかれている。だが、国内の大手ITベンダーにヒアリングしたところ需要に変化はみられなかった。これほどまで、企業にとってのITは欠かせない存在になっているということだ」(日高氏)
企業へのITへの期待値がこれほどまで高まっている中で、CIOには「テクノロジ―」のみならず「ビジネスプロセス」や「情報」の管理にもリーダーシップを発揮すべきというのが日高氏の主張なのである。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授