問われるコーチング力
鳩山首相の表明から考えるビジョンの大切さ(1/2 ページ)
先日、鳩山由紀夫首相が、米ニューヨーク市内で開かれた国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)に出席し、2020年までに日本の温室効果ガスを、1990年より25%削減するという中期目標を表明した。また、途上国や新興国の温暖化対策を後押しするため、日本の省エネ技術や資金を提供する「鳩山イニシアチブ」構想も提唱した。
この「25%削減」という数字をどう受け取るかは人それぞれだと思うが、無理だとネガティブにとらえた人も多いのではないだろうか。わたし自身は、リーダーとしてこのような数値を示すことはとても重要だと考えている。
現実的に考えると、25%の削減を達成するまでの道のりは、とても険しく、そう簡単に実現できることではないだろうと推測される。当然、相当な努力も必要であろう。しかし、難しいと知りながらもはっきりと数値を示すことで、日本がこれから目指すビジョンを堂々と宣言したのである。組織のリーダーとなったならば、このようにビジョンを示すことが不可欠だ。
ビジョンは組織の夢そのもの
組織にとってビジョンとは、組織の夢、将来像のことであり、メンバーのモチベーションを高めるものであるとともに、業務を行ったり、何かを判断したりする際の指針となるものである。ビジョンが共有され、浸透している組織では、「ビジョンの実現に何が必要なのか」「ビジョンを実現するために何を優先するのか」ということをメンバー各自が常に考えて行動するようになる。
ビジョンに必要なものは何だろうか。それは次の3つである。
(1)組織のモチベーションを高めるもの
(2)わくわくするもの
(3)組織の姿勢が明確に伝わるもの
ビジョンは、その達成に向けて組織が一丸となって進んでいけるよう、組織のモチベーションを高められる、わくわくするものが良い。それと同時に、会社の姿勢が外部の人に対して明確に伝わるものであることが求められる。しかし、ビジョンは掲げたら終わりというものではない。ビジョンの実現を目指して進むため、事あるごとに「ビジョンに対して今はどの段階にいるのか」を確認することも必要である。
リーダーがビジョンを明確に示すことで、組織は良い方向に進んでいく。今回、温室効果ガス25%削減というビジョンを鳩山首相は打ち出した。現段階では実現が難しいと思われるビジョンではあるが、この数値が示されたことによって、それを達成するための具体的な知恵やアイデアが生まれるのだ。実際に、どのようにしたら達成ができるのか、真剣な議論が始まっている。25%削減というビジョンがなければ、そのような議論は起こりようがないのである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「昆虫サイボーグ」で災害現地の行方不明者ゼロに挑む
-
2
なぜコーポレートITはコスト削減率が低いのか――既存産業を再定義することでDXを推進
-
3
なぜ答えが揺れ、堂々と間違えるのか ―― 確率で動く生成AIの正体
-
4
新顔相次ぐ小型電動モビリティー 優れた環境性能、免許返納した高齢者の「次の足」に注目
-
5
チェキの新製品、タッチパネル式大画面を初搭載 富士フイルムが2機種新発売へ
-
6
第2回 ドラッカー「上司の仕事は部下がやりやすくすること、部下の仕事は上司がやりやすくすること」
-
7
出世する人としない人の差は、微差であり、その微差こそが大差になる
-
8
「対策している」と「守れている」は違う - 防御力を経営に見せる富士通のサイバーセキュリティ戦略
-
9
リーダーが抱える20の悪い癖
-
10
54年の歴史に幕を閉じる岩波神保町ビルで、イマーシブ公演「僕たちの映画館」が開催
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー