ラウンドテーブル後半は、軽食をとりながら、約1時間半にわたる質疑応答とディスカッションの時間が設けられた。経営者に必須のリーダーシップの問題については松井氏から次のような発言があり、参加者からも納得を得ていたようだ。
「現在は“オレについてこい”というようなリーダーシップではなく、総合力が求められているように思います」(松井氏)
ここでリーダーに求められることは「進むべき方向性を決める」ことだと松井氏は言う。
「わたしは“会社に議論はなじまない”と考えています。進むべき道が定まらないうちから議論を重ねても、あまりいいことはありません」(松井氏)
松井氏はここで、方向性を決めるということを重視する。リーダーが方向を定めれば、周りのスタッフはいろんな知恵や意見を出してくれる。そうすることでスタッフは上からの命令を待つのではなく、自発的に動くようになる。
「リーダーの決断でスタッフを導くことが確実な実行と結果につながります。方向性を示し、きちんと実行して結果を出せる人こそが、リーダーなのです」(松井氏)
そのプロセスの中で企業のリーダーには、自分自身で考え、自分自身の言葉で従業員に語りかけることが求められると松井氏は述べる。リーダーが自らメッセージを発信することが、企業全体の意思統一、ひいては価値の向上につながると松井氏は強調した。
他にも講演中に出てきた良品計画の改善スピードの速さについての質問、経営におけるデータの重要性などについて、活発な意見交換が行わた。ラウンドテーブルの最後には、再び日本アイ・ビー・エムの椎木茂氏が「計画5%、実行95%」といった松井氏の印象的な言葉を引用しながら挨拶。閉会後も活発に名刺交換が行われ、経営の中核に携わるエグゼクティブたちの交流の場となった。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授