お金をためるには、現状から目を背けず「記録」することから始めよう。
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わたしは公認会計士という職業柄、数多くの会社を訪問して仕事をしています。そうした中で、ひとりひとりの人の仕事ぶりを見ていると、その人がお金をためられる人間なのか、さらには、仕事ができる人間なのかがすぐに分かってしまうのです!
公認会計士の仕事を簡単に言うと、会社のお金の出入りの「記録」をチェックして、決算書に間違いがないかどうかを調べることです。この決算書を調べるときの材料となるお金の出入りの「記録」には、意外と会社によって大きな違いがあるので、非常におもしろいところです。
例えば、お金がたまる会社の「記録」は詳細で、そのモトとなる資料もきれいに整理整頓されています。わたしたちがその会社を訪問した時点で、必要な書類の入ったファイルがきれいに並べられています。ファイルの背表紙にはタイトルが書かれ、どんな書類が入っているのかが一目瞭然です。その中身を見ると、トップページには目次、項目ごとにインデックスが付けられ、それぞれの書類にもその内容がすぐに分かるような説明が書いてあります。
「この資料はここにあるわよ!」とひとつひとつの書類が主張してくるのです。こんな風に目的をもって記録をし、普段からきちんと分類・整理していれば、どこにどんな情報があるのかがすぐに分かります。そうすれば、「あれってどうだっけ?」と思ったときにもすぐに必要な情報を取り出すことができ、ムダな時間もお金も使わずに済むのです。
一方で、お金がたまらない会社の「記録」は大雑把で、そのモトとなる資料も整理整頓されていません。わたしたちが仕事をする際にも、いちいちこんな資料をくださいと頼まないと必要なものが出てこないとか、頼んでも探すのに時間がかかってなかなか出てこない、という感じです。
会社はお金の出入りの「記録」をつけることが義務付けられているので、ただなんとなく記録はしているけれど、何の目的もなく記録しているのでひとつひとつの情報の整合性も取れてないし、それぞれがバラバラの状態になってしまっているのです。こんな状態では必要な情報を取り出すのにも時間がかかるし、同じような情報を何度も探すハメになったりして、ムダな時間もお金も使ってしまうのです。
このような、お金がたまる会社、たまらない会社の違いは、わたしたちビジネスパーソンにも共通して当てはまるとわたしは考えています。では、お金を残すためには具体的にどのような「記録」をつければいいのでしょうか。
それは、自分の行動を次の3つの視点からきちんと整理して記録していくことです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授