企業間電子商取引分野でシステム統合のアウトソーシングサービスを提供する企業として、米GXSが注目を集めている。
企業間電子商取引分野でシステム統合のアウトソーシングサービスを提供する企業として、米GXSが注目を集めている。GXSは、GEを母体に誕生し、40年以上にわたり、企業間のデータ統合サービスを提供している。「金融機関やさまざまな企業と、GXSを経由するだけでシステム連携できる」と話すのは来日したボブ・セーゲルCEOだ。
世界に4万社を超える顧客企業を持つGXSは、2010年に2億ドル以上の研究開発費を投じている。先日は金融取引ネットワーク管理のプラットフォームとして知られるSWIFTを活用し、さまざまな企業とデータ連携するための新サービスとして「SWIFTサービスビュロー」を開始するなど、サービス拡充も順調だ。
一方、140億円の売り上げを持つ同業のInovisを合併し、売り上げ規模をさらに拡大するなど「M&Aにも注力する」(セーゲル氏)。受託するアウトソーシングサービスの品質向上にも力を入れる。
「稼働率99.99%以上、最終的には100%を目指す」(同氏)
事例としてGXSが紹介したのは米大手PCメーカー。同社はGXSのB2Bアウトソーシングサービスを活用し、全B2Bビジネスを1つの窓口で対応できる経営の効率化を図った。結果として、レガシーサーバ200台以上および20種類のネットワークの廃棄、データセンター内にラックを20本削減、10のデータベース削減などを実現した上で、24時間365日、100%のB2B運用を監視できるようになった。ITプロセスとカスタマーサポートを完全に統合できたとしている。
セーゲルCEOは「アジア市場の成長力に注目している。特に、日本はGXSの売上高の3番目を占める重要な市場であり、日本の顧客企業とのコミュニケーションを深めたい」と話している。
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明治学院大学 経済学部准教授